現在のような経済状態を表現して、デフレ経済であるとよく言われます。デフレとは、デフレーションのことで、インフレ(インフレーション)の反対の意味になります。
インフレとは物価がどんどん上がる状態を意味することはよくご存知だと思います。デフレは、それとは逆に、物価が下がっていく状態です。よく価格破壊だとか言われますがそれもデフレの一つの現れです。
インフレで物価がどんどん上がっていくのでは、生活するのに家計が苦しくなっていきますから困ります。それでは、デフレは物価が下がるのですから結構じゃないかと思われます。しかしそううまくいきません。
今の経済状態を見ればわかりますが、物価が下がっても、物を買わないのです。個人消費の低迷が不況の大きな原因と言われます。どうして物を買わないのかというと、家計にお金がないからです。あるいはお金はあっても先行きの不安でお金を使わないようにしているからです。
失業率が過去最悪の4%を上回った現在、企業のリストラ、倒産でいつ収入の道が断たれるかわかりません。その一方消費税などの税金、健康保険、年金などの社会保険料の負担は、高齢化社会に向かって重くなります。また医療費や教育費、住宅ローンの負担があるとすれば、物価が下がっているといっても物をどんどん買おうという気にはとてもなれません。
家計が物を買わなければ企業の業績が落ちて、リストラ、倒産となり、それでまた給料などの家計の収入が減るというまさに悪循環のうずの中にまきこまれれいくのがデフレなのです。
インフレのときは物価が上がりますが、インフレが過度のものでない限り、企業の業績はよくなり、給料などもアップしますから、家計が持つお金は増えていきます。ですからインフレの時に借金をすれば、その返済の負担は軽くなっていくのです。
住宅ローンのゆとり返済やステップ返済などは始めの何年間の返済額が低く、その後の返済額がアップするというものですが、これはかつてのインフレ傾向の高度経済成長時に給料のアップしていく時代に合った返済プランなのです。
現在のようなデフレ経済においてはこのような返済方法は将来的にかえって苦しいのものとなります。つまりインフレ時の借金は有利性がありますが、デフレ時の借金は不利なものとなるのです。
そこでデフレ時の借金について注意すべき点は次のようなものがあります。
年収を基準に目いっぱいローンを組むとその返済は思っている以上に苦しくなります。年収から税金や社会保険料、また必要な生活支出を考えて返済額を考えなければいけません。くれぐれも借金を借金で返すようなことのないようにすべきです。
超低金利といわれる現在、固定金利よりも変動金利のほうが低くなっていますが、今があまりに低いためいつ金利が上がっていくかわかりません。変動金利で借りるならば短期間とすることが無難です。
消費税率が5%になり消費税の納税額も3%時代のほぼ倍に増額しています。法人税住民税と異なり赤字でも納税は確実に生じます。そして、赤字であれば当然資金繰りは苦しくなり、本来預り金であるはずの消費税も当然運転資金に組み込まれ、納税に窮することとなります。
そのため税法上、前期の消費税納税額が400万円超の場合には前期消費税額の4分の1を年3回の中間申告によりあらかじめ納税します。前期消費税納税額が400万円以下48万円超の場合はその2分の1を1回中間納税します。
前期納税額が400万円以下で「年1回の中間納付では回数が少なすぎる」「もっと分割して事前に納税しておきたい」場合は、課税期間の特例を選択して年3回が可能です。
無断転用・転載を禁止します。