法人税や所得税、消費税を納期限までに納税しないと、納期限から50日以内に税務署から督促状が送られてきます。この督促状を発行した日から起算して10日を経過した日までに税金が完納されない場合には、滞納処分となります。滞納処分となった時点で、税務署の徴収担当部署が税金の徴収に動き出します。
滞納処分と同時に滞納処分票というものが税務所内で発行され、これには滞納者の名前、税額、滞納額等が書かれ、処分票の裏には記事欄があり、経過記録がされます。何月何日に訪問したときには、滞納者がなんと言ったとか、取引先の人が滞納者をこう言っていたとか、詳細に経過が記載されます。
滞納者のお客さんに対して支払を滞納者にするのではなく、税務署にするようにするのが売掛金の差し押さえです。税務署がお客さんに出向き、「私は滞納者に対していくらの支払義務があります」という売掛金の確認を取って、確認書に署名、捺印してもらい、差し押さえ調書を交付することにより行われます。
差し押さえ調書には「差し押さえした人間以外は取り立てをしてはならない、仮によそに払っても、その分は支払とは認めないという」取り立て禁止条項が印刷されています。
しかし、実際は税務署を良く思っている人は多くないことから、税務署の人がお客さんの所へ行っても、なかなか売掛金の確認をしてくれないのが実状みたいです。
差し押さえの対象は現金はもちろん、銀行預金、貸付金、売掛金、動産等何でも対象となります。今までの経験だとまず始めに電話債券を差し押さえると言ってくるケ-スが多いようです。電話を差し押さえられたら商売あがったりです。
銀行預金の差し押さえは、滞納者の口座があるとにらんだ銀行に預金調査票を持っていって、元帳を調査して滞納者の預金だと認定できるものがあれば、その場で差し押さえて取り立てることができます。滞納者には、差し押さえ通知書を配達書面で送るだけで、本人の承諾もいりません。
滞納者に財産が何もないとき、滞納処分の執行により生活ができなくなる場合には滞納処分を停止することが税務署長の職権でできます。
しかし、実際に処分を停止するには、市役所や登記所で不動産を調べたり、銀行の預金を調査したり、取引先等を調べたり可能な限りの調査をした上で、上席、統括、署長と、何人もの上司の決裁を取る必要があります。
こうして、停止の決定が出てもすぐにちゃらになるわけでなく、その後3年間は最低年1回状況を見に行き、もし払える状況となれば滞納処分は復活されます。
消費税の滞納が増えています。税率アップにより今後も増えそうです。消費税の納税資金は別途確保しておきましょう。
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