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インボイス制度

第328号 2021年9月

1.はじめに

令和 5 年 10 月 1 日から、複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の方式として適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)が導入されます。

適格請求書等保存方式の下では、税務署長に申請して登録を受けた課税事業者である「適格請求書発行事業者」が交付する「適格請求書」(いわゆるインボイス)等の保存が仕入税額控除の要件となります。

2.適格請求書とは?

適格請求書とは、「売手が、買手に対し正確な適用税率や消費税額等を伝えるための手段」であり、一定の事項が記載された請求書や納品書その他これらに類する書類をいいます。

3.適格請求書発行事業者登録制度とは?

  • 適格請求書を交付できるのは、適格請求書発行事業者に限られます。
  • 適格請求書発行事業者となるためには、税務署長に「適格請求書発行事業者の登録申請書」(以下「登録申請書」といいます。)を提出し、登録を受ける必要があります。なお、課税事業者でなければ登録を受けることはできません。
  • 免税事業者は課税事業者を選択すればこの登録を受けることができますが、消費税の申告納税が必要になります。

4.登録申請のスケジュール

登録申請書は、令和 3 年 10 月 1 日から提出可能です。適格請求書等保存方式が導入される令和5 年 10 月 1 日から登録を受けるためには、原則として、令和 5 年 3 月 31 日まで(ただし、困難な事情がある場合には、令和 5 年 9 月 30 日まで)に登録申請書を提出する必要があります。

5.適格請求書の記載事項

適格請求書発行事業者は、登録番号や適用税率と税率ごとの消費税額など所定の事項が記載された請求書や納品書などの書類を交付しなければなりません。

6.適格請求書発行事業者の義務等(売手側の留意点)

適格請求書発行事業者には、一定の場合を除き、取引の相手方(課税事業者に限ります。)の求めに応じて、適格請求書を交付する義務及び交付した適格請求書の写しを保存する義務が課されます。

7. 仕入税額控除の要件(買手側の留意点)

適格請求書の保存及び一定事項の帳簿への記載(会計データ入力の際に摘要欄へ入力)が仕入税額控除の要件となります。

8.おわりに

インボイス制度の登録申請がこの 10 月 1 日から始まります。当事務所では、9 月中にインボイス制度登録申請のご案内を各担当から差し上げます。10 月 1 日から当事務所で申請することができますので、各担当にご用命ください。

アトラス総合事務所 税務部門 坂斉 和久
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