コロナの影響で労働環境が一変しました。業績不振による休業や整理解雇、感染防止のための時差出勤やテレワークの導入など、ここ数カ月で激変しています。このような状況下で、「やはり社内ルールをきちんとしなければ・・・」という要望が多く寄せられています。そこで、一番身近な社内のルールブックである就業規則と、残業をさせる場合に不可欠な36協定について説明いたします。
就業規則とは、会社で働くにあたってのルールと待遇を定めたものです。
勤務形態(正社員、パートなど)、労働時間(9:00~18:00など)、賃金(給与、賞与、手当など)、休日・休暇制度(有給休暇など)、退職(退職の申出は1か月前など)、解雇(解雇事由など)、定年に関する規定などを主な内容としています。
就業規則を作成して労働基準監督署へ届け出る義務がある会社は、常時10人以上の労働者が在籍する会社です。人数には正社員のみならずアルバイトや契約社員も含みます。この作成義務に違反すると30万円以下の罰金が課されるとされています。
コロナで会社の業績が悪化し、社員に休業要請が相次いでいますが、就業規則における休業の規定をその根拠とすることができます。
また、従業員がトラブルを起こした時には、就業規則上の解雇の規定をその根拠として対応することが可能になります。就業規則の内容を社員に浸透させることにより、トラブルを未然に防ぐ効果も大きいと思われます。
なんともわけのわからない名称の協定ですが、正式名称は「時間外・休日労働に関する協定届」と言います。労働基準法第36条による協定ということで通称36協定と呼ばれています。
労働基準法に定める「1日8時間」「1週40時間」の法定労働時間を超える労働に従事させる場合に、協定を締結して労働基準監督署に届け出る必要があります。つまり、1時間でも社員に残業をさせる場合に必要な協定になります。
この36協定を締結しないで残業をさせると、労働基準法違反となり、6カ月以下の懲役又は30万円以下の罰金が課せられることになっています。
「法定休日」とは、1週間に1度の休日を言います。社員に1週間に1度の休みを与えないで働かせる場合は、この36協定を締結して届け出る必要があります。
週休2日制の会社の場合、土曜日に休日出勤をさせても日曜日が週1回の法定休日となるため、36協定を締結していなくても問題ありませんが、土曜日と日曜日も連続して働かせる場合は、36協定を締結している必要があります。
アトラス総合事務所では、「就業規則」及び「36協定」作成・届け出のご相談、ご依頼をお待ちしております。
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