私が試験合格後に初めて勤務したのは、ニューヨークに本部のある外資系会計事務所でした。英語もろくにできないのによく入ったと思います。英文での監査マニュアルがあり、それに従って体系的に業務を遂行します。3 年半の勤務でしたがとても良い経験でした。英語アレルギーはおかげさまでなくなりました。
tax return と聞くと税金の還付のことかと思いますが、税務申告書のことです。これから日本では、所得税の確定申告が始まりますが、英語では income tax return と言います。
所得税の確定申告は毎年 3 月 15 日が申告期限となりますが、申告期限は due date です。
外資系の会計事務所では、よく「due care」という言葉が使われました。due care とは、正当な注意義務のことで、業務は常に正当な注意を払って行えということです。
Audit とは監査のことです。監査は公認会計士の専業業務です。決算書(financial statement)の信頼性を担保するために行われる業務で、決算書の信頼性は公認会計士の「この決算書は正しいですよ」という監査報告書に記載される監査意見(audit opinion)によって担保されます。監査人のことは auditor といいます。
Certified public accountant とは公認会計士のことです。略して CPA と呼ばれています。
監査では、下っ端の公認会計士の業務は地道な作業が多く、監査調書をつくるために書類をコピーしたり貼り付けたりします。こんな作業が多いことから、CPA は cut paste arrangement の略だとも言われていました。切って、貼って、整理してというわけです。
Conservative という言葉はよく使いました。保守的会計という意味です。保守的会計とは、収益をできるだけ確実なものだけ計上し、費用は最大漏らさず計上することを意味します。例えば、取引先の資金繰りが悪く売掛金の回収が困難な場合、貸し倒れに備えてなるべく多くの貸倒引当金を費用として見込み計上するような判断がconservative な会計処理ということです。利益を出したい会社側と保守的会計を主張する公認会計士が対立する場面がよくあります。
よく目にする経営指標で ROE があります。
Return on equity の略で、株主資本利益率です。当期純利益を自己資本で割って算出される指標で、10%以上が目安となります。 自己資本とは、株主が出資した資本とそれをもとに稼ぎ出した利益の合計です。この自己資本を効率よく使って利益をあげているかの指標です。いわゆる株主の視点での利回りですので重要視されている指標です。会社が自己株式を取得して消却する行為も自己資本を少なくして ROE を上げるための対策でもあるのです。
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