雪国のリゾートマンションの価格がかなり下がっているという報道がありました。新築時には数千万円した物件が、数十万円で買えるとのことです。そこで中古のリゾートマンション相場をインターネットで検索してみました。
ネットでは、「苗場のリゾートマンションが一番安い」とあります。検索すると、10 万円で売りに出ているマンションが多数あります。築 30 年以上で、皆バブル期に建てられたマンションです。
苗場は駅から遠く、温泉施設がないのも安い売りが多い理由のひとつでしょう。売り物件数も、苗場で 190 件、湯沢で 61 件、岩原で 89 件と、苗場の物件数が飛びぬけているのも安い理由でしょう。
売り出し価格が 10 万円でも、実際の売買価格はこれ以下でしょう。ほぼ 0 円に近い金額で買うことができるのではないでしょうか。このような状況になっている原因の一つは、マンションの維持費にあります。
マンションの管理費は、ワンルームでも月額 1万円以上、それ以上の間取りとなると、月額 2 万円~5 万円といった管理費となります。リゾートマンションの利用頻度は少なく、それに関係なく固定的に毎月引き落とされる管理費は当然負担となります。
「タダでもいいから物件を手放して、毎月の管理費負担から解放されたい」というのが、10 万円の売り出し価格ではないでしょうか。
大規模修繕工事とは、主に外壁の塗装や屋上の防水工事などを行う大掛かりな工事で、マンションでは一定の周期で行われています。国土交通省が出しているガイドラインでは、12 年周期で行うことが推奨されています。
この大規模修繕工事にかかる費用は、40 戸 8階建てのマンションで 3,000 万円~5,000 万円かかると言われています。
マンションの管理組合の会計は、大きく一般会計と特別会計に分かれます。
一般会計では、管理費収入と日常の管理に要する支払を処理し、特別会計では、大規模修繕工事に係る修繕積立金収入とその支払いを処理します。今問題となっているのが、特別会計で積み立てている修繕積立金不足です。大規模修繕に必要な額だけ積立金がないマンションが多くあります。この積立金不足を解消する手段として数十万円から100万円以上の一時金をマンションの所有者に負担させることが行われています。
ほぼタダ同然でリゾートマンションを購入しても、その後に多額の修繕負担一時金を請求されることもあり得ます。リゾートマンション購入時には大規模修繕工事計画と、積み立てられた修繕積立金がいくらあるのかを確認することも必要でしょう。
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