減価償却資産とは、事業用の建物、機械装置、器具備品、車両などの時の経過により価値が減る資産をいいます。時の経過により価値が減るため、原則として取得時に全額経費とすることはできません。耐用年数に亘って分割して経費となります。
使用可能期間が 1 年未満の物や取得価額が 10万円未満の物は、取得時に全額経費とすることができます。
また、10 万円以上 20 万円未満の物は、3 年間で経費とすることもできます。
そして、10 万円以上 30 万円未満の物は、合計で300万円に達するまで全額経費とする特例もあります。
私が勤務していたときの所長が、「まったく困っちゃうんだよな、家を購入して、畳 1 枚は 10万円未満だから畳代を全額経費にできるはずだ、とお客様がきかないんだよね。」と言っていたことを思い出します。確かに畳 1 枚は 10 万円未満ですが、金額の判断はその利用単位によります。
倉庫で使用するためのスチール製の組み立て式商品棚を 40 段取り付けました。1 段の取得価額は 2 万円で、1 段ずつでも棚としての機能を有します。
しかし、棚を 40 段ボルトで接続して一体として使用する目的で設置したのですから、単体で金額判断をするのではなく、40 段全体を 1 組として金額を判断することになります。この例の場合取得価額は 80 万円になり、耐用年数に亘って分割して経費となります。
レンタル DVD 店の開店に当たり、レンタル用の DVD20,000 枚を総額 2 億円(1 枚 1 万円)で購入した場合の金額判断はどうなるでしょうか?
販売用の DVD であれば、棚卸資産となり減価償却資産に該当しません。在庫として計上し、購入時に経費とすることはできません。
レンタル用の DVD は減価償却資産に該当します。金額の判断は利用単位です。レンタル DVDは 1 枚単位でレンタルされますので、10 万円未満であるかどうかは 1 枚単位で判断されます。そうすると、20,000 枚を 2 億円で購入したのですが、1 枚 10 万円未満ということで、2 億円を取得時の経費とすることができるのです。
パチンコ台は、「パチンコ器、ビンゴ器その他これらに類する球戯用具及び射的用具」として 2年の耐用年数が、パチスロ台は「スポーツ具」の3 年の耐用年数が適用されます。スロットがなぜ「スポーツ具」なのかよく分かりませんが、両者の耐用年数は異なるのです。パチンコは手首が固定され、一方のパチスロは手首のしなやかな動きがあるから「スポーツ具」なのでしょうか?
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