アメーバ経営では、部門別採算制度時間当り採算表(部門別採算制度)が各部門(アメーバ)ごとに作成され日々の作業をコントロールすることになります。具体的にどのように運用していくのかを見ていきましょう。
時間当り採算表は概略以下のようなフォーマットになります。
Aの総生産は社外への出荷金額にあたる?社外出荷に?の他のアメーバへの売上をプラスして、?社内の他のアメーバからの材料などの購入額をマイナスした額になります。
Bの控除額は、アメーバの人件費を除いた電話通信費、旅費交通費、荷造運賃費などの経費の合計額です
Cの差引売上が各アメーバの付加価値となります。通常の損益計算の利益に人件費を加算した額で、各アメーバが生み出した価値になります。
Dの総時間は定時に残業時間そして共通部門や間接部門の時間も各アメーバに配賦して含まれます。
Eの当月時間当りはCの差引売上(付加価値)をDの総時間で割った値であり、時間当りの付加価値を意味し、この最大化が各アメーバの目標となります。
FはAの総生産をDの総時間で割った額で、時間当りの各アメーバの純売上高を意味します。
各アメーバは、1年間の計画をマスタープランとして作成します。このマスタープランを確実に達成するために、毎月各アメーバが市場動向や生産計画、各経費項目などを詳細に検討しながら採算表に落とし込み月次の予算を作成します。予算の内容はメンバーに伝えられ目標を周知徹底させます。
日々の受注、生産、売上、経費、時間などの主要な実績数字は、翌日には各アメーバに日報として配布され、日々予算と実績の対比がなされ、目標達成のための指針となります。
「高い目標を立て、毎日を全力で生きる」と稲盛氏は本に記しています。メンバーの皆がこの心意気で時間当り採算表をツールとして仕事をしたら強い組織になることは間違いなしですね。
「アメーバ経営」稲盛和夫著 日本経済新聞社発行
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