平成25年1月から東日本大震災の復興財源確保のため、「復興特別所得税」が課税されます。復興特別所得税は、今までの所得税額に2.1%を乗じた額になります。平成25年から平成49年まで課税されます。このように広く国民から復興予算の財源として徴収するわけですから、復興予算も適切に使ってもらいたいものです。
復興特別所得税は、所得税の源泉徴収の際に併せて行うこととされているため、所得税と復興特別所得税の合計税率を対象となる支払金額に乗じた税額を源泉徴収します。
合計税率は、所得税率が5%の場合は、5%×102.1%=5.105%となります。
平成25年1月1日以後に支払う給与から「給与所得の源泉徴収税額表(平成25年分)」に当てはめて源泉徴収します。源泉徴収税額表(平成25年分)の税額は、復興特別所得税を含んだ金額になっています。
平成25年1月1日以後に支払う賞与についても、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(平成25年分)」に当てはめて、復興特別所得税を含んだ税額を源泉徴収します。
デザイン報酬や原稿料などを個人に支払う際に10%の所得税を源泉徴収しますが、平成25年1月1日以後に支払う報酬から復興特別所得税を含んだ合計税率を支払金額に乗じて源泉徴収しなければなりません。
デザイン料として手取りで10万円を支払った場合には、税額を次のようにして計算します。
100,000円÷(100-10.21)%=111,370.976…の1円未満を切り捨て111,370円が支払金額で、これに10.21%を乗じた11,370.877円の1円未満を切り捨てた額11,370円が源泉徴収税額となります。
平成25年1月1日以後支払われる退職金の源泉徴収(退職所得の受給に関する申告書が提出されている場合)は、「退職所得の源泉徴収税額の速算表(平成25年1月1日以降)」に当てはめて所得税及び復興特別所得税の合計額を算出して源泉徴収します。退職所得の受給に関する申告書が提出されていない場合は、退職金額に20.42%を乗じた税額を源泉徴収します。
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