国税通則法という法律が改正され、税務調査の手続が幾分か見直されました。この改正は平成25年1月1日以後の税務調査から適用されます。
「税務署は、税務調査を開始する日時、調査を行う場所、調査の目的、調査する職員の氏名等を納税者及び税務代理人(税理士)に通知するものとする」と規定されました。
今までも調査の事前通知はありましたが、調査の目的を明確に説明する調査官は少なかったのが事実です。
しかし、「納税者の申告、過去の調査結果などに鑑み、違法又は不当な行為を容易にし、調査の適正な遂行に支障をきたすおそれがあると認められる場合は、税務署は調査の事前通知を要しない」、と規定されています。つまり、事前通知がなく税務調査が開始される場合があるということです。
今までも現金商売が中心となる飲食店や小売店には予告無しの調査が普通にありました。この点は変わらないということです。
納税者は、合理的な理由を付して調査日の変更を求めることができます。ただし、この申し出に対して税務署は調査日を変更する義務はないと規定されています。
現在も調査日の変更は、「仕事が忙しい」とか「税理士がその日は立ち会えない」とかの理由で、ほぼ自由に変更できます。税務署が、「絶対この日に調査する」と言って頑張ったケースはありません。
調査官は、納税者に質問、検査、帳簿書類等の提示と提出を求めることができると規定されましたが、この取扱いは今までとほぼ同様です。
調査対象者が「質問に答弁しない」「偽りの答弁をする」「検査等の実施を拒む」「正当な理由がなく、物件の提示又は提示の要求を拒否する」と、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処することが規定されました。
あまり頑張りすぎて、罰則に処されないようにしなくてはなりません。
税務調査の終結は、「当初に申告した内容に問題がない」場合と、「内容に問題がある」場合のいずれかになります。
問題がない場合は、申告是認ということで、税務署長等は納税者に対して書面によりその旨を通知することとされました。
一方、問題がある場合は、税務署は納税者に対して修正申告を勧奨することができると規定されました。
この場合、税務署は「修正申告書等を提出した納税者は不服申立をすることができないが、更正の請求をすることはできる」旨を説明するとともに、その趣旨を記載した書面を交付しなければならないと規定されました。
ちょっと難しい言葉ばかりが並びましたが、税務調査が改正されたといっても、要は今までやっていたことが明文化されたようなものとご理解ください。
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