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賃金の減額は簡単にできる?

第209_2号 2011年10月

1. はじめに

会社の業績悪化や従業員の勤務成績不良等により、賃金の減額はできるのでしょうか。

賃金の減額には種類があり、減額するには一定のルールがあります。

2. 賃金減額の方法は

従業員の賃金を減額するには、次の方法があります。

  • 従業員本人の同意
  • 懲戒処分としての減給
  • 人事考課による減給
  • 役職変更による減給

3. 従業員本人の同意がある場合

従業員との同意がある場合には、同意に基づいて賃金を減らすことができます。

この同意は、口頭でも成立しますが、後のトラブル防止のために、しっかりと書面で取るようにしておくことが肝要です。

同意の書面では、減給額や減給期間などを明記するのが一般的です。

減給できる金額に上限はありませんが、減給後の賃金額が最低賃金を下回らないようにしなければなりません。

4. 懲戒処分として減給する場合

就業規則や雇用契約書に懲戒処分として減給の規定を設けている場合には、この規定に則って減給することができます。

懲戒処分として減給をする場合には、減給額に制限があるので注意が必要です。

●懲戒処分に該当する行為が1つの場合
⇒平均賃金1日分(およそ賃金1日分)の半額
●懲戒処分に該当する行為が複数の場合
⇒1賃金支払期における賃金額の10分の1 (月給制の場合では、月給額の10分の1)

5. 人事考課による場合

年俸制を導入している場合など、人事考課に基づいて給与額を改定することがあります。

本人の業績等による人事評価に基づく減給をする際には、目標達成度や勤務態度といった、減給の評価を根拠づける理由が必要になります。

人事考課によって減額できる金額に上限はありませんが、減額後の賃金額は最低賃金を下回ってはなりません。

6. 降職により減給となる場合

部長職や課長職などによって給与額が決められていて、その役職を解くことにより、賃金を減額することがあります。

この場合では、役職を解くことの正当な理由(能力や適性の欠如、業務上の必要性など)が必要になります。

つまり、正当な理由なく、降職し、賃金を減らすことはできません。

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