仕事中にケガをして病院で治療を受けるときには健康保険証が使えません。
このようなときには、健康保険ではなく、労災保険を使うことになります。
では、労災保険をどのように使うのか、簡単に見ていきましょう。
通常、病気やケガで治療を受けるときには、病院で健康保険証を提示します。
健康保険証を提示することで医療費の自己負担が3割となります。
仕事中にケガをしたときには、この健康保険証は使えませんので、健康保険証の代わりに労災保険の書類を病院に提出することになります。
提出する書類は「療養補償給付たる療養の給付請求書(様式第5号)」です。
会社が作成し、本人から病院へ提出します。
この書類を病院に提出することで労災保険が適用となり、医療費の自己負担額は0円となります。
仕事中にケガをして、様式第5号を準備する間もなく病院にかかり、病院の窓口で医療費を全額支払うことがあります。
こういったときには、「療養補償給付たる療養の費用請求書(様式第7号)」が必要になります。
この書類は、会社が作成し、労働基準監督署に提出します。提出時には、医療費を支払ったときの領収書を添付します。
後日、指定した口座に負担した医療費が振り込まれることになります。
病院で治療を受けた後、仕事ができず休業した場合には、労災保険から休業補償給付が支給されます。
休業補償給付は、休業して会社から給与が支給されない日について、給与額のおよそ8割が支給されます。
申請には、「休業補償給付支給請求書(様式第8号)」を使います。
この書類は会社が作成し、労働基準監督署へ提出します。
労災事故で休業した場合には、「労働者死傷病報告」を労働基準監督署に提出しなければなりません。
この「労働者死傷病報告」には様式第23号と様式第24号の2種類があります。
休業期間が4日以上の場合には「様式23号」を、休業期間が4日未満の場合には「様式24号」を使います。
この書類は、会社が作成し、労働基準監督署に提出しなければなりません。
この書類の提出を怠ったり、事実とは異なる内容を記載すると、「労災隠し」とされ、労働安全衛生法違反となり、罰則の対象になります。
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