地震や景気変動などの影響により事業活動の縮小を余儀なくされ、従業員を休業させることになったときには、従業員に休業手当を支給しなければなりません。
この休業手当の一部を補助してくれる助成金が中小企業緊急雇用安定助成金です。
この助成金を申請できるのは、雇用保険に加入している事業所です。
また、補助の対象になるのは、雇用保険に入っている従業員です。雇用保険に入っている従業員に支給した休業手当の一部が補助されることになります。
「売上高等の最近3カ月の月平均額が、その直近3カ月の月平均額に比べて5%以上減少したこと」、又は、「売上高等の最近3カ月の月平均額が、前年同期比べて5%以上減少したこと」が条件になります。
ただし、直近の決算の経常損益が赤字であれば、5%未満の減少でも受給対象になります。
また、計画停電により事業を縮小した場合には、条件に該当するかどうかの判定期間が「3カ月」ではなく「1カ月」となります。
この助成金を活用すると、休業させるために従業員に支払った休業手当の4/5が支給されます。
解雇や期間雇用者の雇止め(期間満了で雇用を打ち切ること)をしない場合には、支給率が4/5から9/10に上がります。
ただし、支給上限額は1人1日あたり7,505円となります。
また、休業と合わせて教育訓練(研修)を行うと、支給額が加算されます。
事業所内訓練の場合では1人1日あたり3,000円、事業所外訓練の場合では1人1日あたり6,000円が加算されます。
※月給制の場合の休業手当計算方法
(過去3カ月間の給与総額/過去3カ月の総暦日数)×60%以上
直近の賃金締切日から過去3カ月間をとって計算します。
受給条件に合っていることが確認できたら、事業所と従業員代表者との間で「休業に関する労使協定」を結び、休業計画を策定し、ハローワークに届け出ます。
労使協定では、休業対象者や休業時間、休業手当額等を定めます。
届出後、計画に従って休業を開始します。
助成金の申請は、休業開始後、賃金計算期間毎に、賃金計算期間終了後2カ月以内に行います。
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