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贈与するとかかる税金

第181_1号 2009年6月

1.はじめに

贈与とは、自己の財産を無償で相手方に与えることをいいます。親から子への贈与が典型的な例ですが、法人を絡めた贈与を含めて以下説明します。

2.個人→個人

個人から個人への贈与です。典型的な贈与の例で、贈与者である個人には税金は課税されません。受贈者である個人に贈与税が課税されます。つまり、親が子供に財産を贈与した場合、贈与を受けた子供に贈与税が課税されます。

贈与税の課税方式は、基礎控除額が110万円の暦年課税と特別控除額が最低2,500万円(累積贈与額)の相続時精算課税制度の2種類があります。

3.個人→法人

個人が法人に財産を贈与した場合です。役員が所有する不動産を法人に贈与する場合が考えられます。

贈与者である個人は、時価で法人に譲渡したとみなされて譲渡所得税が課税されます。受贈者である法人は、無償で財産をもらったので、時価で受贈益が計上され法人税が課税されます。

贈与者も受贈者も税金が課税され、税金負担が重いパターンとなります。

また、同族会社の株主が子供で、その会社に親が財産を贈与することによって、子が持っている同族会社の株式の価値が増加した場合には、親から子への贈与と扱われることもあります。

4.法人→個人

法人が個人に財産を贈与した場合です。 法人が所有する不動産を役員個人に贈与する場合が考えられます。

贈与者である法人は、財産を時価で譲渡したとみなされて法人税が課税されるとともに、譲渡代金をもらわなかったことから、譲渡代金相当額を受贈者に給与として支給した(役員、従業員の場合)、若しくは寄付をした(役員、従業員以外)扱いとなります。

受贈者である個人は、時価相当額が給与所得(役員、従業員の場合)、若しくは一時所得(役員、従業員以外)として所得税が課税されます。

5.法人→法人

贈与者である法人は、財産を時価で譲渡したとみなされて法人税が課税されるとともに、譲渡代金を法人に寄付したとされます。受贈者である法人は、時価で受贈益が計上され、法人税が課税されます。

6.贈与する財産により税金は異なります

法人→個人(役員、従業員以外)の贈与で、贈与財産の時価が取得価額より低いケースでは、贈与者である法人では譲渡損と寄付金が計上され、受贈者である個人は時価で一時所得として所得税が課税されます。

法人は譲渡損と寄付金の損金算入限度額まで法人の損金にでき、個人は時価から50万円を控除した額の2分の1が一時所得として課税の対象となります。このように贈与する財産によって税金への効果は異なってくるのです。

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