従業員が病気にかかり休業したときには、会社はどのような対応をしたらよいのでしょうか。
休業中の給与はどのようにすればよいのか、休業中の社会保険料はどのような扱いになるのかなど、考えなければならないことがたくさんあります。
従業員が病気にかかり休業した場合には、会社には給与を支払う義務がありません。休業中の給与を支払うかどうかは会社が自由に決められます。
従業員の休業中は、申請することで健康保険から傷病手当金を受けることができます。傷病手当金を受けることができる期間は1年6ヶ月です。
傷病手当金を受け取ることができるのは従業員本人ですが、申請は会社が本人に代わって行ないます。
傷病手当金は、従業員が病気のために仕事ができず、給与をもらえない日について支給されます。およそ支給額は給与額の3分の2です。
会社が休業期間中の賃金を支払う場合には傷病手当金が支給されません。ただし、支給した給与額が傷病手当金の額より低い場合には、傷病手当金の額と支給した給与額の差額が、傷病手当金として支給されます。
従業員が休業中に傷病手当金を受けた場合には、退職後にも引き続き傷病手当金が支給されます。ただし、上限期間(1年6ヶ月)を超えて傷病手当金を受けることはできません。
従業員の休業中、社会保険料は免除になりません。休業期間中の給与を支払わない場合には、給与から社会保険料を控除することができません。このような場合、社会保険料の従業員負担分は会社が一時立て替えて、後日、従業員から従業員負担分を徴収することになります。
徴収するタイミングなどをあらかじめ従業員に説明しておくことが重要です。
従業員が休業することになったら、休業期間の長さや復職のタイミング、復職できない場合の取扱いなどが問題になります。これらの事項はあらかじめ決めておかないと必ずトラブルになります。
就業規則で休職制度を設けて、従業員が休業することになったときに、焦らずに対応できるようにしておかなければなりません。
従業員が休業した場合には、様々なことが複雑に関わりあってきます。あらかじめルールをつくり、迅速に対応できるようにしておきましょう。
無断転用・転載を禁止します。