公認会計士の試験で経営学があり、その当時は人間関係論とかリーダーシップ論とかを一生懸命に勉強していました。試験委員の著書を何回も読んでいると、著者の経営学に対する理論構成のイメージが分かったような気になっていました。
しかし、実際に小規模ながら組織を運営していると、組織理論の重要性を感じます。
何のために組織を運営しているのかということが経営理念です。これは、経営者の生き方や思想などに裏打ちされた組織が存在する理由みたいなものでしょう。しかし、経営者の独善的な考えでも組織のメンバーが共有できるものであることが必要です。「従業員が皆幸せになること」「組織の拡大を通じて社会貢献できること」などが考えられます。
経営理念を実現するためには、経営理念をより具体的にした経営目標を定める必要があります。
経営目標は、「売上を年率10%増額する」とか「利益を3年内に1億円にする」などです。
経営目標を達成するために、経営戦略を組みます。経営戦略は、経営目標を達成するための道具であり、手段です。
立派な理念や目標はいくらでも立てられますが、それを実現するための戦略は簡単にはいきません。
私も過去、パソコン会計教室の経営を始めて、月間の集客数を10名という目標を立てました。そして、この目標を達成する戦略としてダイレクトメールをある業種にターゲットを絞って3千通送りました。その結果、集客できたのは1名だけ。芸のないDMはいくら送ってもダメですね。
経営目標を達成できそうな経営戦略を組むことができたら、あとはその戦略を実行する組織力です。そして、組織を一つの方向に束ねる力がリーダーシップです。
組織では、社長だけが振るうリーダーシップだけでは限界があります。ピラミット状に組織を束ねるリーダーシップを発揮できる人材が必要です。組織に一番必要なキーマンです。
その者は組織のメンバーから一目置かれる人柄や判断力が必要とされるでしょう。時には厳しく叱咤し、そして必要なフォローをすることができる人です。
ある本に、理想的な組織の形は軍隊であるとありましたが、一つの戦略をやり遂げるには最強の組織だと思います。
組織のメンバーに、ひとつの目的に向かって努力しろと言っても、やはり給料という見返りがなくては動きません。目標の達成→給料のアップ→モチベーションアップという図式が必要です。掛け声だけでは動きません。
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