自民党の平成20年税制改正大綱が12月13日に発表されました。主要な改正について説明します。
地方税である法人事業税の税率を半分くらいに引き下げました。その代わり法人事業税額に税率を掛けて国税である地方法人特別税が新たに創設されました。国は、この地方法人特別税を都道府県へ地方法人特別贈与税として配分するのです。平成20年10月1日以後開始事業年度から適用されます。
試験研究費を支出した場合の税額控除制度が強化され、税額控除額が多くなりました。
サーバー及びそのOS、データベース管理ソフトウェア、ファイアーウォールなどに加えて企業間・部門間の情報システムを連携する一定のソフトウェアも対象になりました。そして、投資額の最低限度が、資本金が1億円以下の法人等については、現行の300万円から、70万円に引き下げられました。
一定の要件を満たす特定中小会社に出資した場合に、その出資額について1,000万円を限度として、寄付金控除を適用することになりました。現行のエンジェル税制では、出資者個人が、他に株式投資などをしていないとメリットがないケースがあったことによる改正です。
取得価額が30万円未満の減価償却資産を損金に計上できる特例は、2年間延長されました。
実施時期は明確にされていませんが、中小企業の株式を相続した場合における相続税の納税が優遇されます。事業承継相続人(事業を承継する筆頭株主で、社長の子供などが該当)が相続した親の会社の株式(発行済議決権株式の3分の2にまで)にかかる相続税の80%相当額の納税を猶予するものです。事業承継相続人が死ぬまで自社の株式を所有した場合などは、納税自体が免除されます。
住宅ローンを借りて断熱工事を行った場合に、住宅ローン控除と同様の税額控除制度が創設されました。
上場株式等の譲渡の税金と配当の税金は、現在10%の税率となっていますが、来年も継続されます。平成21年、22年も一定の制限(譲渡の場合は500万円までの譲渡所得、それを超えると20%の税率)はありますが、10%の税率が特例で適用できます。
平成21年からは、上場株式等の譲渡損失と配当所得の損益通算ができるようになります。株の損を配当と相殺することにより税金が安くなります。
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