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懲戒処分にできるの?

第159_2号 2007年7月

1.はじめに

従業員の不始末に対して、会社は何らかの処分をすることができるのでしょうか。無断欠勤が続く従業員、会社の金銭を横領した従業員、会社の秘密情報を無断で持ち出した従業員、このような従業員を懲戒解雇することができるのでしょうか?

懲戒処分は罰則なので、ルールに則り行なわなければなりません。好き勝手に従業員を罰することはできないのです。

2.懲戒の根拠

懲戒処分をするには雇用契約や就業規則に懲戒の種類と懲戒の事由を定めなければなりません。このような定めがないにもかかわらず、懲戒処分をすることはできないのです。会社はいざというときのために、しっかりと懲戒規定を整備しておく必要があります。

3.懲戒の種類は

懲戒の種類には様々なものがありますが、一般的には就業規則に次のような懲戒処分を定めていることが多いといえます。

譴責・・・・・
始末書をとる
出勤停止・・・
出勤を停止し、出勤停止期間中の給与を支払わない
減給・・・・・
給与を減額する
懲戒解雇・・・
即時に解雇する

これらのうち、減給の処分においては、労働基準法で減給できる額の上限が決められているので注意が必要です

また、就業規則等で定めていない懲戒処分を適用することはできません

4.懲戒の事由は

懲戒の種類とともに、就業規則等に懲戒の事由を定めておかなければなりません。例えば、「無断欠勤をしたとき」といったように、より具体的な事由を定める必要があります。

就業規則などで定めていない事由により、懲戒処分にすることはできません

5.懲戒処分をするときには

懲戒処分をするときには、懲戒の事由と懲戒の種類にバランスがとれていないといけません。

例えば、遅刻3回で一番重い懲戒解雇にするのは、懲戒の事由と懲戒の種類にバランスがとれているとはいえないでしょう。

就業規則等で懲戒を定める場合には、このバランスを考えて制度設計をしなければなりません

6.同じ事由で再び懲戒処分にできるか

一度懲戒処分にしたら、同じ事由で再び懲戒処分にすることはできません。従業員を二重に処罰することはできないのです

7.遡って懲戒規定を適用できるか

懲戒規定を作り、従業員に適用することになっても、懲戒規定作成前の従業員の行為に対しては懲戒規定を適用することはできません。懲戒処分は遡って適用することはできないのです

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