パートを雇入れたときにはどのような手続が必要となるのでしょうか。
「社会保険や雇用保険の加入手続きはしなくても問題ないの?」「有給休暇はなくてもいいの?」といったように、パートの場合は労働時間や賃金の決め方が正社員とは違うため、いろいろな疑問が出てくるところです。
以下、社会保険等におけるパートの扱いを簡単に見ていくことにします。
社会保険とは一般的に健康保険と厚生年金保険をいいます。原則としてこの二つの保険は同時に加入します。
パートの場合、社会保険に加入しなければならない基準が設けられています。1日または1週間の所定労働時間(雇用契約で決められた労働時間)が正社員の4分の3以上、かつ1ヶ月の所定労働日数(雇用契約で決められた労働日数)が正社員の4分の3以上であることが基準です。
労働時間と労働日数の両方で正社員の4分の3以上であれば社会保険に加入する手続が必要となります。
雇用保険は離職後、再就職が決まるまでの間の生活保障の役割を果たす保険です。一昔前は失業保険と呼ばれていました。
雇用保険も社会保険のように基準が設けられています。1週間の所定労働時間が20時間以上で、かつ1年以上の勤務が見込まれることが基準です。
パートの場合、1年未満の雇用契約期間が定められることが多くありますが、契約が更新されて、勤務期間が1年以上になることが見込まれるときは「1年以上の勤務が見込まれること」に該当することになります。
加入手続きをしていなかったため、パートが退職後に失業給付を受けられないといったことがないように気をつけなければなりません。
パートも労働者なので労働基準法が適用されます。従って、有給休暇も与えなければなりません。
有給休暇の付与日数は、原則は正社員と同じですが、1週間の所定労働日数が4日以下で所定労働時間が30時間未満の場合は、正社員よりも少ない日数を付与することができます。
この場合の付与日数は、決められた式を使って算出することになります。
会社は毎年1回健康診断をしなければなりません。パートの所定労働時間が正社員の4分の3以上で、かつ1年以上の勤務が予定されているときは、パートにも健康診断を行なわなければなりません。
所定労働時間が正社員の2分の1以上のパートについては、健康診断をすることが望ましいとされています。
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