自民党より平成19年度税制改正大綱が発表されました。消費税の改正については来年度の課題とすると共に、法人への減税策を強く打ち出した改正となっています。
平成19年4月1日以降取得する減価償却資産について、一度に償却できる金額が上がります。例えば耐用年数5年の場合、定額法の償却率は0.18(0.9×0.2)、定率法の償却率は0.369ですが、改正後は定額法は0.2に、定率法は0.5になるため、減価償却費が従前より多く計算されます。
また償却可能限度額も今までは取得価額の5%までが上限でしたが、1円まで償却することが可能となります。100万円のものなら今までは95万円までしか経費とできませんでした、改正後は999,999円まで経費とすることができます。
多額の利益を出している会社が配当などをせずに内部留保していると上乗せで税金が取られてしまう留保金課税について、資本金1億円以下の会社は適用から除外されます。平成19年4月1日以降開始事業年度より適用されます。
特殊支配同族会社に係る役員給与損金不算入制度について、適用除外基準である基準所得金額を800万円から1,600万円に引き上げます。現行では主催役員給与控除前の会社利益が800万円という基準でしたが、改正後は倍の1,600万円となり、中小企業にとっては大きな改正です。これは平成19年4月1日以降開始事業年度より適用されます。
賃貸借取引とされている所有権移転外ファイナンス・リース取引について、全て売買取引とされます。今まで支払時にリース料と経理するだけだったものを、リース開始時にリース物件を購入したものとして資産計上し、減価償却費を計算する必要があります。平成20年4月1日以降に締結するリース取引より適用されます。
中小企業の短期・少額リースは現行の賃貸借処理が維持される予定です。
役員に賞与を支払う場合や、1回払いの役員報酬を支払う場合に届け出る必要がある「事前確定届出給与」の届出期限を、株主総会等の日から1ヶ月を経過する日とします。
中小オーナー経営者が自社株式を子供に贈与(一定の要件を満たす場合)する際の相続時精算課税制度につき、贈与者の年齢要件を60歳に引き下げ、非課税枠を3,000万円をします。
国民健康保険税の上限が53万円から56万円に上がります。所得の多い人は国民健康保険の負担が増えることとなります。
この他、現行証券税制の1年延長や電子申告に係る税額控除の創設、住宅ローン控除の改正、寄付金控除の改正などが含まれています。
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