最近、派遣で働く人が増えているようです。また、ソフトウェア開発等の事業で、派遣業の許可を受け、エンジニアを派遣するケースも増えています。そこで、「労働者派遣」とはどのような形態なのかを勉強してみましょう。
自分の会社の従業員を他の会社の指揮命令下で働かせる形態を労働者派遣といいます。会社が労働者派遣を行うには、厚生労働省への届出、又は許可が必要となります。 労働者派遣を図にすると次のようになります。
会社が労働者と業務委託契約を結び、当該労働者が他社から業務の指示や労務上の指示を受けて業務を行う形態があります。この場合、業務委託契約を結んでいても、実質は雇用関係にある労働者と変わらないので、契約が「業務委託」や「請負」となっていても、契約の名称にかかわらず「労働者派遣」となります。次の図のような形態の場合は派遣となり、「自社(派遣元)」は派遣業の届出をし、又は許可を受け、適正に派遣事業を行わなければなりません。
発注会社から複数の会社間で業務委託契約が結ばれ、従業員が発注会社において就業する形態は禁止されています。つまり、次の図のような形態での派遣は禁止されています。
労働者派遣を行う事業所は、厚生労働省へ届出し、又は許可を受けなければなりません。労働者派遣事業には二種類あり、特定労働者派遣事業と一般労働者派遣事業があります。特定労働者派遣事業とは、常用労働者(期間の定めなく雇用されている労働者、採用から一年を超えての雇用が見込まれる労働者など)を派遣の対象とする事業で、行うには「届出」が必要です。一方、一般労働者派遣事業とは、臨時労働者や日雇労働者、登録型の労働者を派遣の対象とする事業で、行うには「許可」が必要となります。
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