毎年7月10日は税務職員の異動日です。ですから異動が終わり、税務署内も落ち着いてきた7月下旬から会計事務所に税務調査の連絡が入り始まります。当事務所でも、7月中に税務調査の連絡が4社ほどありました。税務調査は8月から11月までが最盛期となります。税務調査で調べられるポイントについて説明します。
調査官が100%見るのが、「売上高が本来であれば当期に計上されなければならないのに翌期に計上されていないか」。「仕入高や外注費の計上が、本来であれば翌期に計上されるものが、当期に計上されていないか」、ということです。期ズレといわれるもので、ポイントは、「売上や仕入・外注費が納品や役務提供完了時に計上されているか」ということです。
よく勘違いされるのが、「決算月に納品したのだけれども、決算月に請求書を出さなければ売上は計上しなくても良いのでは?」ということがありますが、これはダメですので注意してください。
これも期ズレの一種です。毎月20日締めで請求書を発行している場合、決算月の21日から月末日までに納品された商品を拾い出して、売上高として計上しなくてはなりません。
最近の税務調査で必ずといってよいほど見るのが、契約書に収入印紙が貼ってあるかどうかの調査です。請負契約書、取引の基本契約書、金銭消費貸借契約書などの書類に、収入印紙が貼ってあるかどうか事前にチェックしておきましょう。
源泉徴収簿とは各人別の月ごとの給与支給額と源泉徴収税額が記載されているもので、賃金台帳のことです。この源泉徴収簿の金額と決算書に計上されている給与・賞与額がチェックされます。
また、最近の傾向として年末調整の書類がチェックされます。年末調整の添付書類などは、確実に本人から提出してもらって、会社で保管しておく必要があります。
これも最重要ポイントです。売上と仕入と在庫の関係については、特に決算日を挟んだ取引に関して慎重に整理してください。
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