「国民年金の未加入」や「20人以上の厚生年金未加入事業所に強制加入」など、年金に関する話題は尽きることがありません。この秋から厚生年金保険料率が変更になり、以降、社会保険に関する制度に様々な改正が予定されています。
平成16年10月から厚生年金保険料率が上がります。
今後の予定では、今年から0.354%ずつ引き上げられ、平成29年までに現在の13.58%から18.30%になります。一方、もうひとつの年金である国民年金はというと、こちらも保険料が引き上げられます。平成17年4月から280円ずつ引き上げられ、平成29年には16,900円となります。
保険料率が変わるので、毎月支払う給与からの保険料控除額も当然変わってきます。10月分の保険料が上がるので新保険料率適用の保険料が給与から控除されるのは11月支給分からとなります(厚生年金保険料、健康保険料は当月分を翌月末日までに支払うため)。
ちなみに、来年以降の引き上げは9月分の保険料からとなるので、新保険料率適用の保険料が控除されるのは10月支給分給与からとなります。
また、保険料の引き上げとは直接関係ありませんが、7月に社会保険事務所へ提出した算定基礎届で決定された標準報酬月額が9月分の保険料から適用となります。10月支給分給与からの保険料控除額を見直す必要があるので注意が必要です。
厚生年金保険料、健康保険料と共に給与から差し引かれている社会保険料に雇用保険料があります。雇用保険料については、平成17年4月から保険料が引き上げられます。現在の1.75%から1.95%に引き上げられ、従業員の負担は0.7%から0.8%になります。
また、保険料額表を使い保険料を算出できるのは平成17年3月31日までです。現在、保険料額表を使い保険料を算出している事業所は、平成17年4月1日以降は賃金総額に保険料率を掛けて保険料を算出することになります。
配偶者特別控除の廃止・・・平成16年分以降の所得税について、配偶者特別控除のうち控除対象配偶者に適用される部分が廃止されます。例えば、パートにより103万円以下の給料をもらっていた場合、従来なら配偶者控除と合わせて76万円の控除が受けられていたのに、今後は配偶者控除の38万円の控除しか受けられないことになります。実質的には年末調整でこの影響が出ます。
老齢者控除の廃止と公的年金控除の縮小・・・平成17年分以降の所得税について、従来65歳以上の人に認められていた50万円の老年者控除が廃止されます。さらに、公的年金控除額のうち、65歳以上の人に上乗せされて認められていた部分が廃止されます。
無断転用・転載を禁止します。