作れば売れていた「売り手市場」の時代と違い、急速な情報化を背景とした「買い手市場」の現在において、“モノ”を売ることは非常に難しくなっています。
しかしこのような状況下でも、確実に売上を伸ばしている会社はあります。ある講習会で話を聞く機会がありましたので、今回はその辺の“売り方のヒミツ”をのぞいてみたいと思います。
消費者が何かを買いたいと思うとき、消費者が求めているのは商品そのものでしょうか。営業マンはただ商品の説明をすればよいのでしょうか。それでは商品は売れません。
顧客が求めているのは商品ではなく、商品を買った後の結果なのです。顧客が本当に欲しいものは“車”そのものではなく、例えばドライブを楽しむ、いつでもどこへでも移動できるなどの“満足”なのです。
まず大事なのは顧客が「何を欲しがっているのか」ではなく、「どのようなニーズを持っているのか」を理解することです。
モノと情報が氾濫すればするほど、自分にとって何がベストな選択なのかを判断するのは難しくなっていきます。何かを選ぶということは、その他のものを捨てるということです。捨てるものが増えれば、消費者の不安も増大します。
求められるのはこのような不安を解消し、顧客が最良の選択を行えるようサポートする存在です。まさに“買うこと”をコンサルティングする、逆転の発想です。
売上アップを図るときまず考えなくてはならないのは、「いかに既存客の流出を抑えるか」です。品質の向上、サービスの向上に磨きをかけるよう日々努力することは言うまでもありませんが、意外と大事なのが顧客との“接触”を絶やさないことです。
手紙、電話、メール、訪問など手段は様々ありますが、お客様に忘れられないようこまめに連絡をとりましょう。相手の意識の中に自分の存在があれば、浮気はされないものです。
顧客の価値を正しく評価できていますか?「今月××円取引があったから、○○さんは××円のお客さん」そんな狭い視野で顧客を評価していないでしょうか。
顧客の評価は、過去の実績を踏まえつつ、相手先の将来性(例えば現在の年齢など)も考慮して行いましょう。商売はずっと続いていきます。顧客との関係も長期的な視野でとらえていくことが大事です。
飛び込み営業など、体力と根性が勝負のような売り方はもう流行りません。執拗なDMも、ほとんど開封すらされずゴミ箱へ捨てられるのが現状です。商売臭くなればなるほど、防衛反応を刺激され消費者は遠ざかってしまうのです。
何事もシンプルに、そして小さな約束を積み重ねて大きな約束へと、コツコツ信頼関係を築いていくこと。あたりまえのことですが、それが確実な成果へとつながっていきます。
柔軟な発想で、みなさんも売上アップを目指してください!!!
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