資本金とは、株主が出資した会社の基本となる財産を意味します。借入金が将来貸主に対して返済しなくてはならないのに対して、資本金は出資した株主に返済する必要がないことが特色です。
この資本金は、会社の規模を測る尺度として一般に用いられています。税法でもやはりこの資本金の大小によって税金の扱いを異にしています。
新しく会社を作って事業を始める場合に、資本金の額が消費税の申告納税義務に影響を与えます。新しく作った会社が資本金1千万円以上の会社の場合、設立第1期から消費税の申告納税義務があるのです。一方資本金1千万円未満の会社を作った場合には設立第1期と第2期は消費税の申告納税義務が免除されます。 現在は特例によって資本金1千万円未満の株式会社を作れるわけですから、990万円の会社を設立して設立第1期と第2期は消費税の免税の恩典を受けて、第3期に10万円増資して、資本金を1千万円にするのもひとつの手かもしれません。
法人住民税の均等割りとは、会社の利益とは関係なく資本金と従業者数によって課税される税金です。
従業者が50人以下の会社の場合、資本金が1千万円以下であれば、年額7万円、資本金が1千万円超であれば18万円といったように、資本金が増えると税額も上昇します。
資本金が1億円超の場合は税率20.7%、資本金が1億円以下で、かつ法人税額が年1千万円以下の場合は17.3%の税率になります(東京都の場合)。
法人事業税も資本金1億円超か否かで税率が異なります。
法人税の税率も資本金額により違ってきます。資本金1億円超の法人は税率が一律30%です。一方資本金1億円以下の法人は、所得が800万円までは22%、800万円超の所得金額には30%の税率が適用されます。
平成15年4月1日から平成18年3月31日までの間に取得した30万円未満の減価償却資産については全額を損金とすることができます。この規定は資本金1億円超の法人には適用されません。
資本金1億円超の法人は使った交際費の全額が損金に算入されません。資本金1億円以下の法人は年間400万円までの交際費は、その90%が損金に算入されます(平成15年4月1日以降開始事業年度から、それまでは80%)。
資本金が1億円超となると、税額控除や特別償却の適用を受けられなくなることもあります。また、資本金1億円超の会社の子会社も同様な扱いを受けることもありますので注意が必要です。
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