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事業区分

第103_2号 2002年11月

事業区分とは消費税の簡易課税における事業区分のことです。事業区分の判定は消費税額等の負担に大きな影響を与えます。

1.5種類の事業区分

消費税の簡易課税は課税仕入に係る消費税額等について実際の計算をせずに、次のように事業区分に応じた「みなし仕入率」を適用します。

① 第1種事業 90%
卸売業
② 第2種事業 80%
小売業
③ 第3種事業 70%
農業、林業、漁業、鉱業、建設業、製造業など
④ 第4種事業 60%
飲食店業、金融・保険業など、他の事業区分に該当しないその他の事業
⑤ 第5種事業 50%
不動産業、運輸通信業、サービス業など

したがって課税売上の金額(税抜きで、売上値引等の対価の返還等の金額がある場合はその控除後の金額。以下同じ)に対して、納付すべき消費税額等の割合は次のようになります。

① 第1種事業
課税売上を100として 100×(1-90%)×5%=0.5% 以下同様に計算
② 第2種事業
1%
③ 第3種事業
1.5%
④ 第4種事業
2%
⑤ 第5種事業
2.5%

たとえば課税売上1億円に対して第3種の建設業であれば消費税額等は
1億円×1.5%=150万円 となります。

2.日本標準産業分類

総務省が公表している日本標準産業分類(平成14年3月改訂、総務省のホームページで閲覧可能)は消費税の事業区分の基準とされています。

自分の会社が行う事業がどの事業区分に属するのかは原則的にはこの産業分類によって判定されます。

しかしこの産業分類だけで判定することはできません。消費税ではその実態に応じて区分しなければなりません。

たとえばコンビニエンスストアは通常は第2種の小売業とされますが、実際は次のようにさまざまな業務を行っています。課税売上は原則としてこの事業区分ごとに分けて「みなし仕入率」を適用します。

  • 店頭の商品の販売  第2種の小売業
  • 酒類を飲食店など事業者に納品 第1種の卸売業
  • 電話代、電気代等、宅配等の事務代行 第5種のサービス業

また第4種とされる「加工賃等を対価とする役務の提供」に注意が必要です。

製造業者は第3種ですが、材料を受注先から無償支給されて、加工のみ行うのであれば第4種となります。

建設業は第3種ですが、解体業のようにもともと役務の提供しかないものは第4種となります。

消費税の事業区分は安易な思い込みで判定しないことが大切です。

アトラス総合事務所 公認会計士・税理士 井上 修
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