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クイズの賞金と税金

第092_2号 2001年12月

ファイナル・アンサーなどとテレビのクイズ番組での賞金も最近は大型化していますが、獲得した賞金の税金はどうなるのでしょうか。

1.クイズの賞金は一時所得

所得税では所得の種類を各種所得として10種類に区分しています。すなわち、

  • ①利子所得
  • ②配当所得
  • ③不動産所得
  • ④事業所得
  • ⑤給与所得
  • ⑥退職所得
  • ⑦山林所得
  • ⑧譲渡所得
  • ⑨一時所得
  • ⑩雑所得

です。クイズの賞金はこのうちの一時所得に該当します。

一時所得は次の算式で計算した金額が課税対象となります。

(収入金額-支出した金額-50万円)×1/2=課税対象額

50万円の特別控除がありますから、50万円までは税金がかからないことになります。また、50万円を超えても課税の対象となるのは2分の1だけです。

2.収入金額の評価

受取る賞金等の種類により収入金額が次のように評価されます。

  • 賞金等が現金あるいは商品券や旅行券の場合は、現金そのままの金額あるいは券面額となります。
  • 貴金属、宝石等は、受取った日に他人に売却すると仮定した場合の処分見込額とされます。
  • 自動車や一般的な商品は、その通常の小売販売価格(現金正価)の60%で評価されます。

3.源泉徴収

賞金等を受取る際に次の金額が天引きされます。

(賞金品の価額-50万円)×10%=源泉徴収税額

4.支出した金額

算式の「支出した金額」は収入を得るために直接支出したものだけが認められます。

たとえば、同じ一時所得となる競馬の払戻し金の場合には、当り馬券の代金のみが支出した金額に該当します。はずれ馬券の代金まで含めることはできません。

クイズの賞金を得るために直接支出した金額というのは応募のための費用くらいですが、受取った賞金の一部を公益施設などに寄付する定めになっている場合は、その寄付した金額は支出した金額に含めることができます。

5.確定申告

50万円の特別控除を超えるような賞金であれば確定申告することになります。

課税対象は2分の1ですから、課税上かなり軽減されていますが、他の給与所得や事業所得などと合算して所得税が計算されます。

所得税は累進税率ですから、他の所得の大きさで税率も違ってきます。

賞金を確定申告するような幸運な人は、確定申告書に記載するにあたり以下の事項を注意してください。

  • 収入金額は手取額でなく、源泉徴収される税引き前の金額とすること。
  • 源泉徴収税額は申告書の該当欄に記載して精算することを忘れないようにしてください。
アトラス総合事務所 公認会計士・税理士 井上 修
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