インターネットのホームページの制作を業者に委託した場合に要する費用の税務処理ですが、原則は「支出時の損金」です。
例外は以下の2点です。
ホームページは企業や新製品のPRのために製作されるのが一般であり、その内容は頻繁に更新されるため、その制作費用の効果が1年以上に及ぶことは稀だと思いますが、「1年」を超える場合は、「繰延資産」としてその使用期間に応じて均等償却を行うことになります。
ホームページが単なる宣伝媒体にとどまらず、ホームページからデータベースやネットワークへとアクセスできるような仕組みとなっている場合。
このような高度なホームページの制作に当たっては、データベース等とアクセスするための「ソフトウエア」が必要になる。
そこでこうしたケースにおいては、ホームページとソフトウエアを一体のものと見て、ホームページの制作費用は繰延資産の「ソフトウエアの開発費用」として5年間で均等償却することになります。
「LAN」設備(企業内情報通信網)を減価償却資産として計上した場合の耐用年数については、パソコン、ケーブルなど設備の構成要素全体を「一の減価償却資産」とみて、耐用年数「6年」を適用します。
つまり、ハブ、ルーター等の接続・拡張装置、ケーブルなどの伝送媒体等のLANの構成設備単体ではなく、全体を耐用年数6年で償却します。
「2000年問題」対応のみのソフトウエアの修復だけであれば、修繕費として一括損金算入できます。
2000年問題の処理と同時に現行システムの見直しなども合わせた大規模な改修、文字どおりのバージョンアップであれば、日付部分が区分されてなければ全体が資本的支出として繰延資産となり、一時に損金算入できません。
このような場合は、2000年対応費だけを明確に区分すれば、その部分だけ損金算入できます。
インターネットで商品取引や請負契約が行われた場合の印紙税の扱いですが、ポイントは印紙税の課税対象となる「文書が作成されたかどうか」ということになります。
インターネットの場合、文字は確かにディスプレイ場で認識できるが、これは単にデータ(信号)が回線を往復するだけで、「文書そのものが存在しない」「印紙税の課税対象とはならない」という当局の見解です。
では、画面をプリンタで打ち出した場合はどうでしょうか。結論的にはこの紙プリントも印紙税の課税対象とはなりません。
プリントとはいえ、自らの有するデータを印刷しただけであって、相手先が了知しているわけではなく、したがって文書としての効果がなく、印紙課税は及ばないというわけです。
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