アウトソーシングという言葉をご存知でしょうか。
アウトソーシング(Outsourcing)とは、外部(Out)の資源(Source)を活用することで、一般的には「外部委託」と訳されています。平たく言えば、下請けや外注のことです。ただ、アウトソーシングは今までの単なる下請や外注というのでなく、より戦略的な意味をもった経営手法のひとつと考えられています。
80年代にあれほど不況に苦しんだアメリカが、90年代に見事に復活したのは、このアウトソーシングの経営手法が効力を発揮したのが大きな原因といわれています。
現在不況に陥っている日本の企業が不況打開策の一つとして、このアウトソーシングに注目し、その活用も拡大しています。
企業の活動には、企画開発、生産、販売、営業、総務経理、人事などさまざまな機能・業務があります。いままでは、原則的には、これらの機能・業務をすべて自前で行ってきました。また、これらのさまざまな業務を受け持つ部門を自分の企業で充実していくことが1人前の企業としての体制作りと考えられていたのです。
アウトソーシングの考え方は、その企業の中核となる業務(コア業務)以外の業務は、外部に委託しようとするものです。これによって、委託する企業(ユーザー)はその中核となる業務に専門的に集中することができ、競争力を強化することが可能となります。
また、委託される企業(アウトソーサー)は、委託される業務についてはすでに専門的なノウハウを持っていますので、自社でその業務を行うよりも高度な機能を活用できます。
分かりやすい例でいえば、中小企業と会計事務所の関係もアウトソーシングといえます。 中小企業が自前で経理会計部門を設けるというのは、コストや人材育成の面でなかなか大変です。高度な専門知識を要する税務申告ともなるとやはり外部の専門家に頼んだほうが効率的なのは明らかです。
アウトソーシングは、経理会計部門だけでなく、企業のあらゆる部門について外部の専門能力を活用しようとするものです。たとえば、自分のところは新製品の企画開発だけ行い、生産は外部に委託するというような生産設備をもたないメーカーの存在も可能になるのです。日本においても、アウトソーシング関連の企業の種類も数も拡大してきており、アウトソーシング分野の成長が期待されています。
アウトソーシングのおもなメリット・デメリットを簡単にまとめてみますと次のようになります。
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