医療保険は、年金保険とともに社会保険の一環として、次のように設けられています。
健康保険は、勤務している会社など事業所単位に適用され、業務あるいは通勤以外の事由による病気やケガに対して医療給付するものです。業務上、通勤途上の病気、ケガに対しては、労災保険が適用されます。
保険料は事業主と本人との折半で負担します。被保険者である本人の家族に対しても被扶養者として医療保険の適用があります。
国民健康保険は、健康保険などに加入しない自営業者等が対象とされる医療保険です。原則として市町村が運営しています。
世帯単位に適用され、世帯の家族それぞれが被保険者となり、被扶養者という概念はありません。保険料は世帯主に納付義務があります。 以上のほかに、公務員などには共済組合制度が適用されています。
また、上記の被保険者、被扶養者が、原則として70歳以上の高齢者になると、さらに老人保健法が適用されるようになり、さらに手厚い医療給付がされるようになります。
病気やケガをして、医療保険による医療給付を受けるということは、実際に病院に行って、医者の診察や治療、薬剤の支給を受けることになるわけですが、それは100%給付ではなく、一部自己負担があります。その自己負担割合は現在、次の通りとなっています。
この改革案はこれから国会に提出され、議論されるものですから、このとおり実現されるものとは限りませんが、国民の負担が増加することはまちがいありません。
特に大病院5割負担というのは、いくら患者集中の是正とは言え、お金のない者は大きな病院に来るなといっているようなもので、福祉行政の理念にそうものとは、とてもいえません。
これからの高齢化社会において、医療保険や年金保険などの財政危機の克服のため、国民の負担増はある程度やむをえないとしても、もっと心のこもったビジョンを示してほしいものです。
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