【生徒♂】
「先生、先週のゴルフコンペでは、イケメン男子をホールインワンゲット出来たのかい?」
【先 生】
「ふぅ~。人生のホールインワンってそう易々とは決まらないものなのね・・・」
【生徒♀】
「バンカーにズッポリって感じですわね。ご愁傷様。」
【生徒♂】
「まあまあ、そう気を落としなさんなって。さっ!前回まで納税地について教えて貰ったけれど、納税地に関する他の規定ってあるのかな?」
【先 生】
「そうね。『納税地の指定』という規定があるわね。」
【生徒♀】
「指定?私、他人から指図されるのは嫌いなのですけれど?・・・」
【先 生】
「別にあなたにどうこうしろなんて言わないわよ。原則的な納税地が、その個人事業者又は法人が行う資産の譲渡等の状況からみて、納税地として不適当であると認められる場合には、所轄国税局長又は国税庁長官が納税地を指定する事があるのよ。(消法23条1項)」
【生徒♂】
「へぇ~。具体的には、どんな流れになるのかな?」
【先 生】
「例えば、A社の原則的な納税地がX地だとするわね。でもそのX地が納税地として不適当と認められて、新たに納税地としてY地を指定するとするわね。」
【生徒♀】
「ええ。」
【先 生】
「そのY地が、X地を所轄する国税局管内にある場合には、その所轄する国税局長がY地を新たな納税地として指定し、Y地がX地を所轄する国税局管内の外にある場合には、国税庁長官が指定するのよ。」
【生徒♂】
「なるほどね。納税地を指定したら、その相手に対して電話でもかけて『新たな納税地として〇×△□を指定したから、あとはヨロシク』みたいな感じで伝えるのかい?」
【先 生】
「おバカ。そんな訳無いでしょ。納税地を指定した場合には、きちんと書面で通知しなければならないのよ。(消法23条2項)」
【生徒♀】
「他にも納税地に関する規定ってありますの?」
【先 生】
「そうね。保税地域から引き取られる外国貨物に係る消費税の納税地は、その保税地域の所在地とされているわ。(消法26条)」
【生徒♂】
「その『保税地域』って何?」
【先 生】
「通常、外国から貨物を輸入すると輸入関税という税金が徴収されるのだけれど、保税地域っていうのは、外国から輸入した貨物について輸入関税の徴収を猶予したまま一定期間置いておける場所の事よ。“保税”っていうのは、税金の徴収を留保するっていう意味なの。」
【生徒♀】
「ふ~ん。テレビのニュースなんかで外国人旅行者が免税店で買い物をしている光景を見かけるけれど、あれって購入した物品を自国へ持ち帰らないと消費税が課されるのでしょう?」
【先 生】
「そうよ。外国人旅行者等の非居住者が免税店において一定の方法で購入した物品を自国へ持ち帰れば、その物品に係る消費税は免除されるのだけれど、自国へ持ち帰らずに日本国内において譲渡等すると、消費税を納付する必要が生じるのよ。」
【生徒♂】
「その場合は、どこでその消費税を納付すればいいの?」
【先 生】
「この場合の納税地は、次のように定められているわよ。」
■非居住者が日本から出国する日までにその物品を輸出しなかった場合
⇒出港地(消法27条1項)
■非居住者が居住者となる日までにその物品を輸出しなかった場合
⇒住所又は居所の所在地(消法27条1項)
■非居住者がその物品を国内において譲渡等した場合
⇒その譲渡等に係る物品の所在場所(消法27条2項)
【生徒♀】
「なるほどね。私も免税店でエル○スとかシャ○ルとか高級バッグを買い漁ってみたいものですわ。」
【先 生】
「お子ちゃまが何を小生意気な事を言っているのよ。あなたには、唐草模様の風呂敷がお似合いよ。高級バッグはあたしのような大人の色気漂う女性にこそ相応しいのよ。」
【生徒♂】
「その前に彼氏を見つけなって・・・」
【先 生】
「それもそうね・・・。その辺の免税店で外国産のイケメン男子が売ってないかしら?ちょっと見てくるわね。という訳でまた次回!ばいばい!」