【生徒♂】
「さあ先生、前回は僕達への授業よりも牛肉の特売の方を優先するという教師にあるまじき食い意地っぷりを披露してくれた訳だけれど、合併があった場合の納税義務判定はどうやるのさ?」
【生徒♀】
「そうですわよ。確か吸収合併の場合と新設合併の場合とに分けて考えるのでしたわね?」
【先 生】
「あのお肉、ホントに美味しかったわ~・・・じゃなかった!合併の場合の納税義務判定の話だったわね。では先ずは、吸収合併の場合から説明するわね。」
【生徒♂】
「吸収合併っていうのは、A社がB社を取り込んで、更に大きなA社が出来上がるっていう合併だよね?」
【先 生】
「そのとおりよ。吸収合併があった場合の納税義務判定は、大きく分けて次の3パターンに分けて考えるといいわよ。」
1.合併があった日の属する事業年度(合併事業年度)の納税義務判定
2.合併事業年度の翌事業年度の納税義務判定
3.合併事業年度の翌々事業年度の納税義務判定
【生徒♂】
「なるほど。合併があった日を基準に納税義務を判定すべき事業年度を3つに分けるんだね。」
【生徒♀】
「その『合併があった日』というのは、何時の事を指しますの。」
【先 生】
「吸収合併があった場合の『合併があった日』というのはね、『合併の効力を生ずる日』を指すのよ。(消基通1-5-7)」
【生徒♂】
「う~ん・・・いまいちピンと来ないね・・・」
【生徒♀】
「『合併の効力が生じる日は〇月〇日でーす!』って宣言すれば良いのですの?」
【先 生】
「ちょっと違うわね・・・会社が合併する場合には、様々な書類を作成するのだけれど、その中に『合併契約書』という契約書があるのよ。」
【生徒♂】
「合併契約書?それって合併に関しての条件とかルールとが書いてあるのかな?」
【先 生】
「そのとおりよ。その合併契約書の中には、必ず何時をもって合併するのかを明らかにする為に『合併する日』が決められているのよ。」
【生徒♀】
「なるほど。その合併する日というのが、『合併の効力を生ずる日』という訳ですわね?」
【先 生】
「そのとおりよ。例えば、次のような合併法人(A社)と被合併法人(B社)が吸収合併すると仮定するわね。」
■(合併する日)平成27年1月1日
■合併法人(A社)
〔第10期〕平成26年4月1日~平成27年3月31日
■被合併法人(B社)
平成26年7月1日~平成27年6月30日
【生徒♂】
「なるほど。合併法人A社が3月決算、被合併法人B社が6月決算だね。」
【生徒♀】
「合併する日が、平成27年1月1日という事は、この合併により消滅する被合併法人B社の事業年度は、平成26年7月1日~平成26年12月31日までという事になりますわね?」
【先 生】
「そのとおりよ。だからこれを整理すると次のようになるわね。」
■(合併する日)平成27年1月1日
■合併法人(A社)
〔第10期:合併事業年度〕平成26年4月1日~平成27年3月31日
■被合併法人(B社)
〔合併事業年度〕平成26年7月1日~平成26年12月31日
【生徒♂】
「うん。この場合だとA社の第10期が『合併があった日の属する事業年度』つまり、合併事業年度に該当するわけだね。」
【生徒♀】
「この『合併事業年度』の納税義務判定が、吸収合併の場合の納税義務判定の基本になるわけですわね?」
【先 生】
「そのとおりよ。では次回は、上記の例に基づいて吸収合併の場合の合併事業年度の納税義務判定をみていく事としましょう。ではまた次回!ばいばい!」