【生徒♂】
「さあ先生っ!前回は『遊び疲れて眠いから』という傍若無人な理由で僕達を置いて帰ってしまうというPTAが聞いたら大問題になりそうな暴挙を敢行してくれた訳だけれど、あれからぐっすり眠ったのかな?」
【先 生】
「ええ、おかげさまでぐっすり寝させて貰ったわ。その甲斐あってお肌が茹でタマゴのようにツルッツルよ♪」
【生徒♀】
「はいはい、良かったですわね・・・で、相続があった場合の納税義務判定って、他にも何か注意すべき点がありますの?」
【先 生】
「そうね。その被相続人が2以上の事業場を有していた場合において、二人以上の相続人がその2以上の事業場を事業場毎に分割して相続したときにおける被相続人の基準期間における課税売上高の捉え方には、注意が必要よ。」
【生徒♂】
「え~っと・・・例えば、被相続人が、A県にA事業所を持っていて、更にB県にもB事業所を持っていて、A事業所は長男が、B事業所は次男がそれぞれ相続した場合って事かな?」
【先 生】
「そうよ。その場合、長男の納税義務判定で用いる『被相続人のその年の基準期間の課税売上高』は、A事業所のみの課税売上高を用いる事になるのよ。同様に次男の場合には、B事業所の課税売上高のみを用いる事になるわ。(消法第10条3項)」
【生徒♀】
「なるほど。相続した事業所毎に判定する訳ですわね。他にも相続固有の注意点はございまして?」
【先 生】
「相続人が二人以上いる場合の注意点があるわ。」
【生徒♂】
「相続人が二人以上いる場合?」
【先 生】
「ええ。相続人が二人以上いる場合には、その相続財産の遺産分割が確定するまでの間は、被相続人の事業を承継する相続人が確定しないでしょ?」
【生徒♀】
「ええそうですわね。」
【先 生】
「その場合、その被相続人の事業は、各相続人が共同して承継したものとして取り扱われるのよ。」
【生徒♂】
「へえ~。そうなんだね。」
【先 生】
「そして、この場合における各相続人の納税義務を判定する際に用いる『被相続人のその基準期間における課税売上高』は、その被相続人のその基準期間における課税売上高に各相続人の民法上の相続割合を乗じた金額となるのよ。(消基1-5-5)」
【生徒♀】
「なるほど。相続財産の遺産分割が確定する前に消費税の申告期限が到来することだってあり得ますものね。そういう場合には、法定相続割合で按分して納税義務の有無を判定する訳ですわね。」
【先 生】
「そういうこと。それと補足だけれど、この相続があった場合の納税義務判定の特例は、『課税事業者を選択している場合』や『特定期間における課税売上高等による納税義務の免除の特例』によって課税事業者になっている事業者については、適用されないからね。」
【生徒♂】
「なるほどね。相続があった場合の納税義務判定って、中々奥が深いんだね。さっ!先生。今日はもういいから徹夜カラオケでも徹夜マージャンでも徹夜ボウリングでも何でも行ってきていいよ。夜一人で家にいるのが寂しいんでしょ?」
【生徒♀】
「まあ!その点には敢えて触れずにおきましたのに・・・傷に塩を塗るようなマネをしますのね♪」
【先 生】
「ぐう~・・・悔しいけど言い返せないわ・・・。という訳で、今から徹夜パチンコに行って来るわ!ではまた次回!ばいばい!」