調査官はゴルフ会員権の評価損が計上された時期を問題にしてきました。
★納税者
「ゴルフ会員権の評価損を計上した時期が問題なのですか?」
●税務署
「前期に評価損を計上していますが、なぜ前期に計上したのかということです」
■会計事務所
「つまり、前期以前に計上すべきではなかったかということですね?」
●税務署
「そうです」
「会員権相場はかなり前から悪化していますからね・・・」
「利益の出ている前期で評価損を計上していますが、その合理的な理由を教えてください」
■会計事務所
「合理的な理由?」
「合理的な理由も何も、会社がゴルフ場の時価を客観的な数値で把握して、評価損を計上せざるを得ない状況であるから計上したと思いますよ」
「では、逆にお聞きしますが、いつ評価損を計上したらよかったのですか?」
●税務署
「それを私に聞かれても・・・」
■会計事務所
「そうでしょう?」
「いつ評価損を計上すべきであったなんて、バブル崩壊後20年以上経ちましたが、誰も合理的な判断なんてできっこないですよね!」
●税務署
「ん~ でもなぜ前期なのかということが引っかかりますね・・・・」
■会計事務所
「そう言われても困ります!」
実地調査は、この問題を残して終わりました。
しかし、ゴルフ会員権評価損の計上時期については、その後も税務署は納得できないようでいろいろと言ってきました。
そして最後には、評価損計上の妥当性を文書で提出するように要求してきました。
要求通りゴルフ会員権評価損計上の根拠及び計上の妥当性を文書で税務署に提出しました。
その後、税務署より「評価損の計上を認める」との連絡をもらい、一件落着となりました。