週刊なるほど!消費税

立替払いと消費税 (3)

第290号 2008/11/21

☆【生徒】

私は中古自動車の販売業をしています。

自動車税の消費税法上の扱いについて教えてください。

★【先生】

具体的にどのようなことですか?

☆【生徒】

自動車税は4月1日現在の自動車の所有者に課税されます。

したがって、例えば8月1日に自動車を売買した場合には、8月から来年

の3月までの8か月分の自動車税を買主に請求することになります。

自動車税は車両価格とは別にして請求します。

この場合の自動車税は消費税の課税対象になりますか?

★【先生】

結論から言いますと、消費税の課税対象になります。

☆【生徒】

自動車税は税金なのに消費税の課税対象になるのですか?

★【先生】

自動車税の納税義務があるのはあなたで、自動車の買主ではありません。

買主は、自動車の売買代金の一部として自動車税の月割り額を負担した

のに過ぎないわけです。

☆【生徒】

なるほど、そう考えるのですね。

では、次のような場合はどうですか?

自動車を3月に譲渡したのですが、自動車の名義変更が遅れて5月にな

ってしまいました。

4月1日現在の自動車の名義は私ですので、自動車税は私が立て替え

て支払いました。

この立て替え分を買主に請求しようと思うのですが、これも消費税の課税

対象になるのですか?

★【先生】

この場合は、消費税の課税対象にはなりません。

本来の納税義務者は買主で、売主は名義変更の遅延から買主の代わり

に自動車税を立て替えたに過ぎません。

したがって、買主に請求した自動車税については、初めのケースとは違い、

あくまでも立替払いということで消費税の対象にはならないわけです。

☆【生徒】

よく分かりました。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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