週刊なるほど!消費税

福利厚生費と消費税 (5)

第272号 2008/6/16

☆【生徒】

私の勤めている会社は建設会社で、営業の人たちは毎日車で走り回っ

ています。

自宅からの直行、直帰が多いため、社員の自家用車を会社が借上げて

営業に使っています。

★【先生】

つまり、社員に自家用車の使用料を支払って、会社のために使っている

ということですね。

☆【生徒】

そのとおりです。

この場合、会社が社員に支払っている自家用車の使用料は、消費税が

かかる支払になるのでしょうか?

★【先生】

回答する前に、ここで今までの福利厚生費と消費税の取り扱いを復習し

てみましょう。

出張日当は、通常必要とされる金額の範囲内であれば消費税がかかる

支払いとされ、それ以外の金額は給与とされるのと同時に消費税がかか

らない支払いという扱いでした。

通勤手当は、所得税の非課税限度額はもとより、非課税限度額を超えて

給与として扱われる額も、通勤費に充てられている額は消費税がかかる

支払になりました。

☆【生徒】

確かにそうでした。 

★【先生】

出張日当は、その額が通常必要とされているかどうかが判断基準で、通

勤手当は、実際に通勤費に充てられているのかが判断基準でした。

従業員の自家用車の使用料は、その額が自家用車を借りるのに通常必

要とされる額で、実際に会社の仕事で使っているかどうかが判断基準と

なります。

☆【生徒】

なるほど。

要は、自家用車の使用料が仕事での使用実態に見合った額であれば

消費税のかかる支払いとして扱い、それ以外の給与として扱われるよう

な使用料は、消費税のかからない支払いとして扱われるということですね?

★【先生】

そのとおりです。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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