週刊なるほど!消費税

納税義務(法人:5)

第237号 2007/09/10

★【先生】

 前回は、前々回に引き続いて、法人が2期以上連続で事業年度を変更した場合

について見てきました。

法人の「前々事業年度が1年未満の場合」の「基準期間」は、「その事業年度

開始の日の2年前の日の前日から同日以後1年を経過する日までの間に開始

した各事業年度を合わせた期間」である、という話でした。

☆【生徒】

 過去に2期以上連続で事業年度を変更している場合には、単純に前々期におけ

る課税売上高のみで判定してはいけない場合があり、その場合の納税義務の判定

には注意が必要、ということでしたよね。

★【先生】

 今回から、法人の基準期間がない場合について見てみましょう。

☆【生徒】

 基準期間がない法人・・・?

★【先生】

 そうです。新設法人のことです。これは新たに事業を開始した個人事業者と対比

して見ると分かりやすいので、個人事業者の場合の納税義務の復習を兼ねて、

まずは個人の場合の例を見てみましょう。

 次の例の場合、19年度の納税義務はどうなりますか?

・平成19年1月に事業を開始した個人事業者である

・平成19年中の課税売上高 : 1,200万円

☆【生徒】

 平成19年の消費税の納税義務があるかないかは、平成17年の課税売上高が

1,000万円を超えているかどうかで決まるから・・・あれ・・・平成17年

の課税売上高がない・・・?・・・から、平成19年の納税義務はない・・・

★【先生】

 しどろもどろですね。確かにこのような例は今回見ていません。でも基本は同じで

す。

 基本に戻って考えてみましょう。

 個人事業者の場合も法人の場合も、消費税の納税義務があるかないかは、「その

課税期間に係る基準期間における課税売上高」が1,000万円を超えるかどうかで

決まります。

 個人事業者における「課税期間」はその年、つまり今回の場合は平成19年となり

ます。また「基準期間」はその年の前々年のことなので、平成17年となります。

☆【生徒】

 じゃあその基本どおり、平成19年の納税義務は平成17年の課税売上高で決まる。

平成17年は、まだ事業を開始していないから課税売上高はない、つまりゼロ。ゼロ

ということは、課税売上高が1,000万円以下なので、納税義務はない!

★【先生】

 そうです。

つまり新規に事業を開始した個人事業者の場合には、“基準期間における課税売

上高がゼロ“ということになりますので、納税義務はない、という結論となります。

☆【生徒】

 じゃあ、間違ってなかったんじゃないですか~。

★【先生】

 ここからは説明が長くなってしまいますので、今回はここまでにします。次回は本題

です。基準期間がない法人の納税義務の免除の特例について、今回の続きから説明

します。

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