週刊なるほど!消費税

納付と申告(3)
確定申告

第185号 2006/08/14

【先生】

 お盆真っ只中です。とはいえお盆でも休まない人も増えているようです。

【生徒】

 子供がいる家庭では、子供の夏休み中にってことになるんでしょうけど、

そうでなければ、9月か10月にずらせば料金も安くなるし、すいてるし。

【先生】

 欧米のように1~2ヶ月バカンスがあるといいのですが。

【生徒】

 でも無給になっちゃうでしょ?

【先生】

 それは小市民には非常にキビシイですね。

 さて、引き続き確定申告のお話です。

 今回は確定申告をしなくてもよい場合について見ていきましょう。

【生徒】

 確定申告をしなくてもよい場合?免税事業者ってことですか?

【先生】

 免税事業者はそもそも確定申告というものがありません。今回見ていく

のは、課税事業者だけれども、確定申告義務がない場合です。

【生徒】

 課税事業者なのに申告しなくていい?それはありがたい。

【先生】

 必ずしもありがたいとは限りませんよ。

 課税事業者は今までお話してきたとおり、課税期間の末日の翌日から

2ヶ月以内に確定申告をしなければなりません。

 ですが、課税事業者でも課税資産の譲渡等が無い又は課税資産の譲渡

等の全てが免税の対象となる場合で、かつ、納付税額等が無い場合には、

申告義務は無い、つまり申告しなくてもよいとされています。

【生徒】

 つまり、5%の消費税がかかる売り上げがない場合には申告しなくても

いいってことですね。

【先生】

 そうです。ですが、これが落とし穴です。

 納付税額等が無い場合と言っていますが、これは還付が含まれる場合

も含まれます。

【生徒】

 そうか、還付は納付ではないですもんね。

【先生】

 典型的な例として、売上が輸出免税のみの場合、上記の例に該当する

ので申告義務はありません。

 ですが還付を受けるためには還付申告をすることが必要です。

 輸出では国内仕入れで仕入控除税額が発生しているはずですので、

義務が無いからといって申告しなければ、還付も受けられないのです。

【生徒】

 申告義務が無いっていうのは、申告してはいけないってことではない

ですよね。

【先生】

 そうです。消費税法の条文でも、申告書の提出義務が無い場合でも

還付を受けるための申告をすることができると規定されています。

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