週刊なるほど!消費税

納付と申告(1)
確定申告

第183号 2006/07/31

【先生】

 1年以上に亘りお話してきた納税額の計算も前回でついに終わりました。

【生徒】

 やっと終わりましたか。実に高い山でしたねー。

【先生】

 それでもだいぶ駆け足でお話したつもりなんですよ。

【生徒】

 え、そしたら1年以上も駆け足で山を登ってたんですか?

 ・・・われながら体力ついたなぁ・・・

【先生】

 納税額計算のポイントは網羅していますので、きちんと理解していれば

あとは申告書を書くだけでOKという状態のはずです。

 今回からはその申告と納税についてお話しましょう。

【生徒】

 せっかく計算できても申告と納税をしなかったら全くのムダですもんね。

【先生】

 そういうことです。

 まず申告について。消費税の課税期間が終了したら、その期間の消費税

を計算し、確定申告をしなければなりません。

 消費税の確定申告期限は原則として課税期間末日の翌日から2ヶ月以内

となっています。

【生徒】

 法人税なんかと同じ期限ですね。

【先生】

 そうですね。法人税も事業年度終了後2ヶ月以内です。但し、法人税の場合

は届出をして申告期限を延長することもできますが、消費税には災害等の特別

な場合を除いて申告期限の延長という制度自体がありませんから注意が必要

です。

【生徒】

 法人税の申告期限を延長していても、消費税は先に申告しておかないと

いけないってことか。

【先生】

 そうです。もし遅れると無申告加算税や延滞税がかかってしまう恐れがあり

ます。

 また課税期間の短縮を選択している会社でも申告期限は変わりません。

 つまり課税期間末日の翌日から2ヶ月ですので、3ヶ月ごとに区切っている

場合には年4回、1ヶ月ごとに区切っている場合には年12回の申告が必要

です。

【生徒】

 個人事業者も同じですか?

【先生】

 個人事業者は年の最後の申告だけ期限が異なります。

 個人事業者のその年の12月31日を含む課税期間については、翌年の

3月31日が申告期限となります。

【生徒】

 個人の所得税の確定申告期限は3月15日でしたよね。

【先生】

 そうです。この場合は消費税の申告期限のほうが半月分だけ長くなっている

ことになります。

 とはいえ、消費税が固まらないと事業所得も決まりませんので、実際には

消費税のほうが所得税よりも早く計算されることになります。

◆発行 アトラス総合事務所

無断転用・転載を禁止します。

本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。

  • ○著作物を、私的利用の範囲を超えて権利者の許可なく複製する行為
  • ○著作物を、インターネット上で公衆が取得可能な状態にする行為
  • ○著作物の全部もしくは一部を権利者の許可なく改変する行為