週刊なるほど!消費税

納税額の計算(30)
簡易課税

第156号 2006/01/16

【先生】

 前回から簡易課税制度についてお話しています。

【生徒】

 ちっとも簡易じゃないというウワサの簡易課税ですね。

【先生】

 ま、手書きで帳簿を付けられている方にとっては、手間という点で原則法

に比べて間違いなく簡易ですから。

 さて、引続き簡易課税制度の適用を受けられる事業者について見ていき

ましょう。

 基準期間の課税売上高の要件は覚えていますか?

【生徒】

 確か5,000万円以下でした。

【先生】

 そうです。但し合併や分割が合った場合には課税事業者を判断する際

の基準期間の課税売上高の計算とは違う場合がありますので注意が必要

です。

 今回はまず基準期間が無い課税事業者について。

【生徒】

 基準期間がないのに課税事業者ってありましたっけ?

【先生】

 期首時点の資本金が1千万円以上の法人と、課税事業者選択届出を

提出した事業者です。

 とても重要なところですからしっかり覚えておきましょう。

 さて、この基準期間がない課税事業者については、基準期間における課税

売上高が0円となり当然に5,000万円以下ですから、簡易課税制度の適用を

受けられることになります。

【生徒】

 それは例えば資本金が1億円とか10億円とかの会社でもですか?

【先生】

 そうです。簡易課税には資本金によって利用を制限するような規定があり

ませんので、課税売上高だけで判断します。

 ですから基準期間の無い法人の第1期第2期は当然に簡易課税を選択

できるのです。

 少し実務的な話をすると、消費税を勉強したことがある人は、わざわざ

課税事業者を選択した場合に、簡易課税制度の適用を受けることがある

のかと疑問に思われる方もいるかもしれません。

 納税義務が無いにも拘らず課税事業者を選択するのは消費税の還付を

受けられる場合であり、簡易課税の適用を受ければ還付が受けられなく

なってしまうからです。

【生徒】

 そうなんですか?

【先生】

 以降の回で簡易課税の計算方法を説明していきますので、それを聞けば

すぐ納得できるでしょう。

 課税事業者を選択して、かつ簡易課税の適用を受けるというのは、不動産

に関わる場合が典型的な例です。

 第1期目はビルの建設費で多額の消費税を支払うが、2期目以降は家賃

収入のみで支出があまりないという場合、第1期目は課税事業者を選択して

還付を受け、第2期は簡易課税の適用を受け納税額を抑える、ということです。

 一度課税事業者を選択すると、最低2年は引続き課税事業者となるため、

このような方法をとります、

【生徒】

 へー。まだよく分からないですけど、要は制度をよく知っていないと損する

ってことかな。

【先生】

 簡易課税と原則課税で納税額が数百万円違ってくることもよくありますから、

きちんと理解しておく必要があります。

◆発行 アトラス総合事務所

無断転用・転載を禁止します。

本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。

  • ○著作物を、私的利用の範囲を超えて権利者の許可なく複製する行為
  • ○著作物を、インターネット上で公衆が取得可能な状態にする行為
  • ○著作物の全部もしくは一部を権利者の許可なく改変する行為