週刊なるほど!消費税

納税額の計算(11)
原則課税

第136号 2005/08/22

【先生】

 課税売上割合の計算は前回で一段落です。

【生徒】

 一段落って「いちだんらく」なのか「ひとだんらく」なのかよくわかりません。

【先生】

 「いちだんらく」が正しいようですね。「ひとだんらく」という人が多いみたい

ですが。

【生徒】

 言葉って変わりますし。「全然」なんて本来否定形に使うはずが、単なる

強調の意味で使われることが多いですし。

【先生】

 言葉の乱れと取るか進化と取るか微妙なところですね。まぁ若い人が何を

言っているのか分からないことはよくありますが。

 さて、課税売上割合ですが、この計算をして出た割合が95%以上かどうか

でその後の計算方法が分かれます。覚えていますか?

【生徒】

 95%以上だと、支払った消費税が全額控除できるんでしたよね。

【先生】

 そうです。

 原則課税では、非課税売上にかかる仕入や経費等で支払った消費税を

控除できないことになっていますが、課税売上割合が95%以上であれば、

全体に対する非課税売上の割合が小さいということで、支払った消費税の

全額を控除できます。

【生徒】

 95%未満の場合はどうなるんですか?

【先生】

 それをこれから説明していきましょう。

 課税売上割合が95%未満の場合、まず支払った消費税を3種類に分け

ます。

1.課税売上のために直接かかったもの

2.非課税売上のために直接かかったもの

3.1と2に共通してかかったもの

1の例としては(課税)商品の仕入高や外注費、広告宣伝費など。2の例と

しては(非課税)製品の材料費や外注費など。3の例としては全社的な費用

(事務所家賃、通信費、事務用品費など)。

 直感的には売上原価項目は1又は2に、販売管理費項目は3に該当する

ことが多くなります。もちろん個別の取引ごとに判断する必要はありますが。

【生徒】

 資産を購入した場合も分けないといけないですよね。

【先生】

 もちろんそうです。社用車や経理部門のPCなどは3になるでしょうし、製品

製造のための機械などは、製作する製品に応じて1又は2になるでしょう。

【生徒】

 かなり面倒な作業ですね。

【先生】

 手作業であれば膨大な作業になりますからきちんと工夫する必要があるで

しょうね。

 ですが現在はパソコンで経理を行うことが普通ですから、科目の分け方さえ

きちんとすれば、それほど面倒な作業ではなくなってきています。

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