週刊なるほど!消費税

納税額の計算(4)
原則課税

第129号 2005/07/04

【先生】

 前回は非課税売上に対する控除についてお話しました。

【生徒】

 非課税売上に対応する仕入の消費税は控除できないんでしたね。

【先生】

 そうです。その考え方を基本として、次に考慮するのが課税売上割合です。

【生徒】

 ポイントになるって言ってた割合ですね。

【先生】

 課税売上割合とは「課税売上高を課税売上高+非課税売上高で割った 

割合」というのはお話しました。

 これはつまるところ全体の売上に課税売上がどれだけの割合を占めてい

るかということを示しています。

【生徒】

 割合が高いほど課税売上が多いってことか。

【先生】

 そうです。そしてこの割合の基準となるのが「95%」です。

【生徒】

 課税売上高が全体の95%ってことですよね。どうなるんですか?

【先生】

 消費税法の規定では、課税売上割合が95%以上だと、前回説明したような

非課税売上については無視して、支払った消費税を全額控除できるとされて

います。

【生徒】

 だと非課税売上に対応する仕入とか考えなくていいのか。

【先生】

 95%以上が課税売上なら非課税売上部分を無視しても影響は少ないという

ことですね。

 例えば課税商品の売上が2,100万円(税込)、土地の賃借料収入が100万円

だったとします。

 この場合の課税売上割合を計算してみると、

 まず課税売上は税抜にする必要があるので

 2,100万×100/105=2,000万円

 課税売上高2,000万円÷(課税売上高2,000万円+非課税売上高100万円)

 =0.952380・・・

 課税売上割合は95%以上ですので、支払った消費税は全額控除できること

になります。

【生徒】

 祝い金の受取りとか保険金の入金とか、不課税売上があった場合はどうなる

んですか?

【先生】

 不課税売上は課税売上割合の計算上考慮しません。

 課税売上割合の計算では計算上除外しなければいけない項目などもあります

ので、次回詳しく見ていきましょう。

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