週刊なるほど!消費税

納税義務(7)

第88号 2004/08/23

【先生】

 オリンピックはメダルラッシュ。毎日寝不足の人も多いのではないでしょうか。

【生徒】

 12時で電池切れなので爆睡・・・朝のニュースでチェックしてます。

 1時2時は無理・・・

【先生】

 4年後の北京は時差1時間ですからね。On timeで観戦できそうです。

 さて、今まで納税義務は基準期間の課税売上高が1千万円以下の場合には

免除されるとお話して来ましたが、実はこれは改正されて決められたものです。

【生徒】

 大きな改正ってことで話題になりましたよね。

【先生】

 それまでは基準期間の課税売上高が3千万円以下となっていましたから、

1/3になったわけです。額は1/3でも、これによってほとんどの事業者が課税

事業者となるといわれています。

【生徒】

 あらあら・・・自分が課税事業者かどうかきっちり判断しないと。

【先生】

 そこでこの改正法がいつから適用になるのかという問題があります。

【生徒】

 それによって課税事業者となる時期も変わりますもんね。

【先生】

 そうです。

 この改正は法人は平成16年4月1日以降開始事業年度、個人事業者は平成

17年度以降より適用されます。

【生徒】

 ということは、個人事業者は未だだけど、法人では適用が始まってるところが

あるってことですね。

【先生】

 現在はちょうど端境期の時期です。個人事業者は、現在の進行期が平成16年

度ですから、まだ改正前の規定つまり基準期間の課税売上高3千万円以下であ

れば免税事業者となっています。

 法人でも平成16年4月1日より前に事業年度が始まっていれば同様です。

 ですが3月決算の会社で平成16年4月1日に新しい事業年度が始まっていると

ころは、改正法が適用されることになります。

 今まで年間の課税売上高が2千万円程度で推移している会社などは、免税事業

者から課税事業者へ変わっていることになります。

【生徒】

 個人事業者も、来年から課税事業者になるかもしれないから準備しておかないと

いけないですね。

【先生】

 ただ個人事業者には、ちょっとした裏技で課税事業者となることを逃れることが

できます。

【生徒】

 をを。何ですか?まさかアブナイ橋を渡ろうっていうんじゃ・・・

【先生】

 それは法人成りすることです。

【生徒】

 法人成り?

【先生】

 つまり個人事業を会社にしてしまうということですね。

 会社となれば、最初の1期・2期は基準期間が無く、納税義務が免除されます。

【生徒】

 でも前々年は個人で事業やってますよ?

【先生】

 法人と個人は全く別物と考えます。つまりやってることは同じでも、個人事業から

法人となった段階で、法人が新しく事業を始めたということになるのです。

【生徒】

 へー。そしたらドーンと会社作っちゃえばいいんですね。

【先生】

 ただし会社の種類によってはとそれが使えない場合もあります。それは次回お話

しましょう。

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