週刊なるほど!消費税

免税取引(8)
輸出物品販売場

第80号 2004/06/21

【先生】

 6月の第3日曜日は父の日でした。母の日に比べてイマイチ知名度が

低いですが、感謝の度合いも 母>父 ということでしょうか。

【生徒】

 はは のんきだねぇ・・・

 母の日ってカーネーションですよね。父の日は何を送るんだろう・・・

【先生】

 バラと言われてるようですね。色は赤だったり白だったり黄色だったり・・・

 父の日にしても母の日にしても元々アメリカから来たものです。広がった

のは無論戦後でしょう。

 何にせよバレンタインよろしく記念日にかこつけて物を売ろうとするのが

日本ですから、これから知名度も上っていくかもしれません。

【生徒】

 ・・・父親にバラをあげるのは遠慮したいなぁ・・・

【先生】

 さて、輸出物品販売場での免税取引について、免税となる要件について

お話しました。

 今回は要件を満たして購入したのに、免税とならない場合です。

【生徒】

 要件を満たしているのに免税とならないなんて、ヘンな感じですね。

【先生】

 そうですね。より正確に言うと、輸出物品販売場で要件を満たして購入

すれば、購入時点では消費税は免除されます。但し、別の場所で消費税

がとられる場合があるのです。

【生徒】

 別の場所って・・・アヤシゲなマンションの一室に連れて行かれて恐い

お兄さん達に囲まれるとか・・・

【先生】

 違います。

 まずは日本から出国する日までにその物品を輸出しない場合です。

 免税となるのはその物品を輸出することが前提となっていますから、

輸出しない場合には免税とはなりません。

 出港地つまり日本から出国する場所を所轄する税関長がその場で

徴収することになります。

【生徒】

 ・・・空港でアヤシゲな一室に連れて行かれて、ある意味恐いお兄さん

達に囲まれるってことにならないのかな・・・

【先生】

 次に購入者が居住者となる日までにその物品を輸出しない場合です。

 居住者となるからには日本国内で使うことが明らかですからね。

 居住する場所の所轄税務署長が消費税を徴収します。

【生徒】

 海外旅行でしか使わないから!っていうのはダメですよね。

【先生】

 最後は国内においてその物品を譲渡又は譲り受けた場合です。

 免税で購入した物品は原則として譲渡が禁止されてます。譲渡して

しまえば国内で使用したのと同じことですからね。

 譲渡場所を所轄する税務署長が、譲渡人若しくは譲受人から徴収

します。

【生徒】

 免税で買ったらそのまま国へ持って帰れってことですね。

【先生】

 但し、災害等やむをえない事情で紛失、損壊して輸出できない場合も

あります。そんな場合には税関長の承認を受ければ消費税は徴収され

ません。

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