週刊なるほど!消費税

非課税取引(4)

第40号 2003/09/01

【先生】

 土地の譲渡・貸付は非課税取引であることは、もうわかりますよね?

【生徒】

 前2回でさんざん聞かされました。

【先生】

 ですがその中で非課税とならない取引があるというのが今回の

お話です。

【生徒】

 どんな場合ですか?

【先生】

 まずは、土地の貸付に係る期間が1月未満の場合。例えば資材

置き場として3週間土地を貸した、というような場合には非課税取引

とはなりません。

【生徒】

 3週間の予定が、不測の事態か何かで1月以上に伸びたときは

非課税になるんですか?

【先生】

 いえ、1ヶ月の判定は契約書ベースで考えます。あらかじめ定め

られた期間が1ヶ月未満のものがその後の事情で1月以上に延びた

としても課税取引ですし、当初1月以上の契約がその後の事情で

結果的に1月未満となっても、非課税取引となります。

 但し、予め1ヶ月以上借りる予定なのに、契約書上で1ヶ月未満に

したとしても、当事者間の合意は1ヶ月以上ですので、非課税となり

ます。

【生徒】

 それって思いっきり虚偽記載ですもんね。

 それじゃあ毎週月曜日だけ1年間借りるっていうのはどうですか?

トータルの日数だと1ヶ月超えますよね。

【先生】

 その場合は1日の貸付契約の集合体と考えられるので、課税取引

になります。

 だったら1年の契約書を月火水・・・と曜日ごとに作れば課税取引に

・・なんて考えてもダメですよ。ずっと借りているのと一緒ですからね。

【生徒】

 ちっ・・・読まれたか・・・

【先生】

 次の非課税とならない取引ですが、駐車場その他の施設の利用に

伴って土地が使用される場合です。

【生徒】

 駐車場その他の施設?

【先生】

 そうです。その他の施設の例としては野球場やサッカーのグラウンド

が分かりやすいでしょうか。

 これらは土地を使用しているように感じますが、それぞれ「駐車設備」

「球技施設」を利用していると考えます。

【生徒】

 土地の使用ではなく施設の利用ということですね。

【先生】

 そうです。但し駐車設備も何も無い青空駐車場などは土地の使用と

される場合があります。

【生徒】

 なるほど。設備が無ければ設備の利用って言えませんもんね。

【先生】

 この場合の判断の程度は難しいのですが、舗装や区画などを行っ

ている場合や、区画等をしていなくとも駐車車両を管理していると認め

られる場合には、駐車設備の貸付ということで非課税取引とはらなない

でしょう。

【生徒】

 では土地を貸した相手が、そこを自分の店のお客様駐車場にして

使っているなんていう場合にはどうなるんですか?

【先生】

 駐車場「用地」を貸し付けた場合には、駐車設備を貸したわけでは

ありませんので、期間が1月未満でなければ非課税取引となります。

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