アトラスNEWS ~Monthly 税務・経営・節税情報~

雇用を守る助成金(中小企業緊急雇用安定助成金)

第178_2号 2009年3月

1.はじめに

企業業績が悪化し、従業員を雇用することが難しくなり、やむなく休業や出向をさせることになった場合、「中小企業緊急雇用安定助成金」を活用してみましょう。

2.中小企業緊急雇用安定助成金が拡充されました

中小企業緊急雇用安定助成金は、従業員を休業させたり、出向させたりしたときに支給されます。

この助成金は昨年末から施行されましたが、先月より内容が拡充されて受給できる日数が増えました。

また、支給要件が緩和されたため、より一層受給できる機会が増えました。

2.助成金を受けることができる「中小企業」とは

中小企業緊急雇用安定助成金を受けることができる「中小企業」とは次に該当する企業です。

小 売 業 資本金5,000万円以下または従業員50人以下
卸 売 業 資本金1億円以下または従業員100人以下
サービス業 資本金5,000万円以下または従業員100人以下
その他の業種 資本金3億円以下または従業員300人以下

※この条件に該当しない企業は「雇用調整助成金」を受けられることがあります。

3.この助成金の受給条件

助成金の主な受給条件は、二つあります。

一つ目は「最近3ヶ月の売上高又は生産量 が、直前3ヶ月または前年同期と比べて減少していること」です。そして、二つ目は 「前期決算の経常利益が赤字であること」です。

ただし、一つ目の条件で、5%以上減少している場合には、二つ目の条件は満たす必要はありません。

4.助成金の対象になる「休業」とは

助成金の対象になる「休業」とは、所定労働日の全1日にわたる休業や一斉に1時間以上行われる休業をいいます。

また、この休業は、会社と労働者との協定によって行われなければなりません。

あらかじめ協定をして、その協定に基づいて休業を行うといったイメージです。

5.助成金の対象になる「出向」とは

助成金の対象になる「出向」とは、出向期間が3ヶ月以上1年以内で、出向元に復帰が予定されている出向をいいます。

この出向も、会社と労働者との協定によって行わなければなりません。

6.受給できる金額は

休業の場合は、休業手当又は賃金に相当する額として厚生労働大臣の定める額の5分の4です(上限あり)。休業中に教育訓練をすると、訓練費として1人1日につき6,000円がプラスされます。

また、出向の場合は出向元会社の負担額の5分の4です(上限あり)。

アトラス総合事務所
◆発行 アトラス総合事務所

 無断転用・転載を禁止します。