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最低賃金額が変わります

第173_2号 2008年10月

1.はじめに

従業員を雇用する場合には、賃金額を決定しなければなりません。賃金の支給形態(月給、日給、時給など)は自由に決めることができます。しかし、賃金額の決定には制限があります。一定の基準額を下回る賃金を支給することはできないのです。

この基準額を「最低賃金」といい、1時間当たりの額で定められています。

2.最低賃金の種類

最低賃金には地域別最低賃金と産業別最低賃金があります。

地域別最低賃金は都道府県ごとに定められており、各都道府県で異なった額が定められています。

主な地域の地域別最低賃金は次の通りです。

  • 東京都  766円(平成20年10月19日から)
  • 神奈川県 766円(平成20年10月25日から)
  • 千葉県  723円(平成20年10月31日から)
  • 埼玉県  722円(平成20年10月17日から)
  • 愛知県  731円(平成20年10月24日から)
  • 大阪府  748円(平成20年10月18日から)
  • 福岡県  675円(平成20年10月5日から)

産業別最低賃金は、産業別に定められており、例えば、出版業は805円、小売業は779円となっています。

3.最低賃金と比較する賃金は

最低賃金以上の賃金を支給しているかどうかを確認するときには、1年間の賃金(1ヶ月の賃金×12ヶ月)を1年間の所定 労働時間で割って算出した額を、最低賃金額と比較します

計算の際には次の賃金を除外します。

  • 精皆勤手当、家族手当、通勤手当
  • 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
  • 1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
  • 時間外、休日、深夜の割増賃金

これらの賃金を除いて計算し、支給している賃金額が最低賃金額以上かどうかを確認します。

4.最低賃金額を下回ると

賃金額が最低賃金額を下回る場合には、早急に賃金額を見直し、最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。

従業員と、最低賃金を下回る賃金で働くことを約束した場合でも、法的には最低賃金額以上の賃金を支払う義務を負います。

支払っている賃金額が地域別最低賃金を下回る場合には50万円以下の罰金になります。また、産業別最低賃金を下回る場合には30万円以下の罰金となります。

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