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アトラスNEWS ~Monthly 税務・経営・節税情報~

サラリーマンと税

第172_1号 2008年9月

1.はじめに

9月13日の全国紙に「税から逃げるサラリーマン」という記事が載っていました。新聞の一面でサラリーマンが不動産投資をすることによって税金を支払わないで済んでいる実態を紹介しています。以下、記事の内容とコメントです。

2.不動産所得を赤字にする

不動産所得が赤字になれば、給与所得と損益通算することにより、納税額は減少します。では、どのようにして赤字にするのでしょうか?

3. ローンの金利を経費にする

不動産を取得するためにしたローンの金利は不動産所得の経費になります。ただし、不動産所得が赤字で給与所得と損益通算する場合には、ローンのうち土地取得に対応する金利は、経費となりません。つまり、投資不動産をローンで購入するのであれば、 土地より建物の金額が多い物件(地価の安い地方都市の物件など)が狙い目でしょう。

4.花火大会の交通費も経費?

記事では札幌に物件があって、花火大会を見に行く旅費も、物件の視察を組み込んで経費にしているとあります。札幌の花火大会に家族で行くのがメインで、物件の視察がついでであれば全額経費とは認められません。

5.子供にアルバイト料

記事では賃料収入の帳簿への記入を子供2人に手伝わせ、「アルバイト料」として月に8万円ずつ計上。実際には2人の高校の授業料や小遣いだが、年齢などの要件は満たしており、「ルールは守っています」と記載されています。

青色事業専従者として2人の子供に毎月給与を支払っているとのことですが、確かに要件である15歳以上は高校生であればクリアしているでしょう。残りの要件である「年6か月を超える期間において青色申告者の営む事業に専ら従事していること」をクリアしていれば2人の子供の給与は経費として認められます。ただし、昼間部の高校生の場合は、夜間を主とする事業に従事する必要がありますので、この要件を満たすかどうかは疑問です。

6.領収書は万能?

記事では、「領収書があれば経費がとがめられることはない」とありますが、この記載は行き過ぎでしょう。あくまでも領収書の内容と、不動産経営との事業関連性がポイントです。事業に無関係の領収書が経費として認められることはありません。

今回の記事では、他にもサラリーマン法人や個人事業主の節税で、「何でも経費になってお得」といった記載が目立ちましたが、いざ税務調査があれば「実態はどうなの?」という観点から問題になります。

7.おわりに

個人事業に対する税務調査の頻度が少ないことから、このような記事が書かれるのかもしれませんが、素人の読者にはチョット誤解を与える内容かも知れませんね。

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