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従業員を雇用したら何をする?

第157_2号 2007年5月

1.はじめに

従業員を採用したら会社は何をすればよいのでしょうか。従業員を採用した後に会社がしなければならないことは、しっかりと理解しなければなりません。今回は、従業員を雇入れたら会社がしなければならないことを確認してみます。

2.雇用契約は書面で結ぶ

従業員を雇用するときには、雇用契約を結びます。この雇用契約は口頭でも成立しますが、後々、契約内容についてトラブルにならないように書面で結ぶことが望ましいといえます。

特に、退職金支払の有無や賞与の支払の有無はトラブルとなりやすい事項ですので、支給条件をしっかりと雇用契約書に明示しておくことが重要です。

3.労働者名簿を作成する

従業員を雇用したら、労働者名簿を作成しなければなりません。労働者名簿には、氏名、生年月日、性別、雇入れの年月日などの法律で定められた事項を記入しなければなりません。

また、この名簿は、作成が法律で定められているだけではなく、社会保険や労働保険の手続時に必要になることもある重要な書類です。しかし、日雇労働者については作成する必要はありません。

4.賃金台帳を作成する

従業員を雇用したら、賃金台帳を作成しなければなりません。賃金台帳には、氏名、性別、給与計算期間などの法律で定められた事項を記載しなければなりません。なお、賃金台帳は労働者名簿と合わせて作成することができます。

この書類は労働者名簿と同じように、社会保険や労働保険の手続時に必要になることがある書類です。

5.労働者名簿や賃金台帳などの保管義務

労働者名簿や賃金台帳などの書類は、3年間保管しなければなりません。保管期間の起算は、労働者名簿は退職から、賃金台帳は最後に記入した日からとなります。

6.健康診断を受けさせる

会社は雇入れた従業員に健康診断を受けさせなければなりません。受診項目は血圧検査や血糖検査など11項目が定められています。

また、会社には、入社時だけでなく、1年に1回の健康診断も義務付けられています。これを定期健康診断といい、50人以上の従業員を雇用する会社は、この結果を労働基準監督署へ届出ることが義務付けられているので注意が必要です。

7.雇用保険や社会保険に加入させる

従業員を雇用したら、雇用保険や社会保険に加入させなければなりません。雇用保険の加入手続きは、入社の翌月の10日までにハローワーク(公共職業安定所)で行なわなければなりません。

一方、社会保険は、入社から5日以内に、社会保険事務所で行なわなければなりません。実務上は5日を過ぎても受け付けてもらえますが、あまりにも遅くなると遅延理由書の提出を求められることがありますので、注意が必要です。

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