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資本金に関する扱い

第154_1号 2007年2月

1.はじめに

資本金を増やしたい」というご相談をよくお受けいたします。資本金を増やすにもいろいろな方法がありますが、またその扱いも新会社法の施行により変わってきています。今回は、資本金の扱いについて説明いたします。

2.利益の資本組入れができなくなった

新会社法では、資本金の最低額の定めがなくなりました。しかし、人々の目は、「資本金が大きいからこの会社は安心」という資本金神話は根強く残っています。

そこで会社が今まで儲けた利益を資本金に振り替えて、資本金を増額する利益の資本組入れはよく行われてきました。しかし、残念ながら新会社法の施行とともに、この制度は消えてなくなってしまいました。もう会社の利益の蓄積額を資本金に振り返ることは制度上できなくなってしまったのです。

会社の利益を元手に資本金を増やすには、その利益を一度株主に配当して、その配当金を増資の払込金として会社に戻す手続きが必要です。

この場合、会社は配当金の20%を源泉所得税として天引きして、株主に配当金を支払う必要があります。株主には配当所得が発生し、他の所得と合算されて課税されます。

3.負債の資本化がしづらくなった

会社の株主や役員が、会社にお金を貸しているケースはよくあります。会社側から見れば役員等からの借入金です。この会社への貸付金を現物出資して、資本金を増額しようというのがDES(Debt Equity Swap)、つまり負債と資本の交換です。

会社の財務状況がよくない場合、つまり負債が資産をオーバーしているような場合は、負債を減らして資本金が増えるわけですから、財務状況の改善のためには効果的な手法となります。

しかし、この制度も新会社法の施行により、税務上の扱いが変わりました。以前は、会社の借入金が5,000万円あれば、借入金5,000万円が減って資本金が同額増える扱いでした。新会社法によると会社の借入金を時価評価して、その額で資本金を増やす扱いとなったのです。

会社の借入金を時価評価するということは、「その借入金が本当に返済できる借入金なのか」、「では、実際にはいくら返済可能なのか」ということを考えて借入金の返済可能額を算定することです。お金を会社に貸している役員等からすれば、「俺が会社に貸している貸付金は実際問題いくら今だったら返済してもらえるのか」という金額です。会社が資産より負債が多い債務超過の状態では、借入金の返済原資もなく、借入金の返済はきわめて困難といわざるを得ません。

したがって、5,000万円の借入金も時価評価すると50万円になることもあるわけです。その場合、5,000万円の借入金が減って50万円資本金が増えます。差額の4,950万円は債務免除益として会社の利益となります。会社の繰越欠損金(7年間繰越)が4,950万円以上あれば納税は生じませんが、なければ納税が発生します。

なお、民事再生法などの法的整理手続きの場合、合理的な私的整理の場合で、一定の要件に該当する場合には、7年で期限の切れる欠損金より以前に生じた欠損金も債務免除益と相殺することができます。

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